消費者金融は審査で何を見ている?

審査落ちしないためのコツ

消費者金融に申し込むと必ず審査があります。早ければ申し込みして1時間程度で借入できるようになります。とはいっても、実際の審査通過率は50%程度で、審査に通過するのも簡単ではありません。

 

実際に消費者金融業者がどういう基準で審査しているのかは非公開ですが、今までのデータなどから、ある程度のところまで分かっています。審査のポイントをわきまえたうえで、しっかり対策しておきましょう。

 

 

消費者金融の審査の基本

どの程度が審査通過しているか

審査に対して不安を持つ人も多いでしょう。審査に通過できるかどうか分かってから申し込みたいと考える人も多くいますが、残念ながらほとんどの消費者金融では、実際に申し込みしてみないと審査に通るかどうか分かりません。

 

大手の消費者金融では実際に審査して契約まで至った人の数を公表しています。おおよそ申込者全体の50%程度が契約にまで至っています。なかには審査に通過したのに契約しなかった人もいると推測されますが、少数派でしょう。

 

大手消費者金融業者の申し込み人数と契約者の人数(2018年)
業者名 申し込み人数 契約者人数 割合
アコム 5万919人 2万2941人 45.0%
アイフル 3万8806人 1万7806人 45.9%
プロミス 4万9728人 2万3378人 47.0%
レイクALSA 非公開 2万6500人 29.5%

 

大手のうち、SMBCモビットはこういった数字を公表していません。

 

公表している業者によって「成約率」や「新規貸付率」などと呼び名は変わりますが、「申し込みした人に対してどの程度が契約に至ったか」という意味を持った数字です。

 

大手のうち、公表されている4社の平均を取ってみると、約42%となります。これを高いと考えるか、低いと考えるかは判断しにくいところですが、誰でも申し込めば審査に通過するほど甘くはないというのが実態と言っていいでしょう。

 

最低条件を確認しておこう

審査の基準として、最も分かりやすいのが公式サイトなどで公表されている「貸付条件」です。ここには、基本的な年齢や年収についての記載があります。まずはここをクリアしていないと申し込みそのものを受け付けてもらえません。

 

銀行のローンでは保証会社が付いているものがほとんどで、この保証会社からの保証が受けられることが条件となっていますが、消費者金融業者の場合には業者そのものが保証会社であるため、こうした条件は記載されていません。

 

大手消費者金融業者の貸付条件
業者名 貸付条件
アコム
  • 契約時年齢が満20歳以上69歳以上
  • 安定した収入と返済能力を有すること
SMBCモビット
  • 契約時年齢が満20歳以上69歳以上
  • 安定した収入があること
プロミス
  • 契約時年齢が満20歳以上69歳以上
  • 安定した収入があること
アイフル
  • 契約時年齢が満20歳以上69歳以上
  • 定期的な収入と返済能力を有すること

 

年齢に関する条件と収入に関する条件の2つが柱となっています。収入の安定性には明確な基準はありませんが、「毎月1回以上の収入を2ヶ月連続で得ている」というのが、おおよその目安です。

 

近年では「最初の給料が出て明細書を出せる状態なら良い」とするケースもあれば、「働き初めて1日目から申し込み可能」というケースがあることも報告されています。

 

安定収入であれば、正社員だけでなく派遣社員、契約社員、パート、アルバイトでも審査に通る可能性があります。銀行によっては社員以外は不可ということもありますが、消費者金融業者はその点では幅広い層から顧客を募っていると言えるでしょう。

 

反面、自分には収入のない専業主婦に対しては申し込みすることができない業者のほうが多い傾向があります。銀行のカードローンには「専業主婦OK」と堂々と公式サイトに載せているものもありますが、消費者金融業者ではそういったことはありません。

 

専業主婦にも配偶者貸付制度という貸付制度が設けられていることもあります。ただ、実際には消費者金融業者ではかなり少ないというのが現状です。

 

属性スコアリング審査とは

消費者金融業者の審査では、個人情報や勤務先の情報などの項目をコンピューターによって自動的に点数化して、その合計点が基準を満たしていれば審査に通過、満たしていなければ否決というやり方で審査しています。「属性スコアリング審査」と呼ばれています。

 

申し込みのときに、申し込みフォームに入力して送信しますが、このときに入力するものはすべてスコアリングの対象です。

 

【属性スコアリングで数値化される項目】
  • 個人情報:氏名、年齢、性別、生年月日、固定電話の有無、メールアドレス
  • 勤務先情報:勤務先名、勤務先住所、電話番号、従業員数、勤続年数、雇用形態、年収
  • 住居形態:自宅住所、持ち家/賃貸
  • 家族形態:子供の有無、ローンの返済額
  • その他:保険証の種類、他社借入の残高と件数、希望する利用限度額

 

年齢でいうと、たとえば30代から50代までは点数が高くなり、20代と60代で低くなります。勤務年数も重要な要素で、一般的に勤務が長いほど会社を辞めにくいというデータがあるため長いほど点数は高く出ます。

 

年齢が30代で、勤務年数が10年あり、勤務先が上場企業などの属性を持っている人は返済能力が高いとみなされて審査を有利に進められる可能性が高いと言っていいでしょう。

 

スコアリング点数の実例

業者によってスコアリングの点数の付け方は異なりますが、おおまかなスコアリング点数を実例として挙げてみましょう。

 

1.勤続年数

勤続年数の長さは審査では重視されます。同じ会社に勤め続けている人は転職する傾向が低く、勤め続けることで収入が多くなっていくことが期待されるからです。

 

勤務年数 点数
1年未満 10点
1年~3年 30点
3年~10年 50点
10年以上 70点

 

2.勤務先

勤務先が大企業であるほど倒産するリスクが低いため、今後も収入が安定することが期待できるため、点数が高くなります。中小の場合には収入の安定性や転職リスクが高いと判断されて点数は低くなります。

 

勤務先 点数
大手企業・大企業 50点
中小企業 20点

 

3.収入

収入が多い人は返済能力が高いとみなされ、利用額も多くなるとみこまれるため、スコアリングの点数は高くなります。ここで収入を実際よりも高く見積もって申告すると、収入証明書を提出することを求められたときに申告内容が虚偽であったことが判明してしまいます。

 

本来の年収と大きく差が出ないように申告しましょう。

 

年収 点数
100万円未満 10点
100万円~200万円 30点
200万円~300万円 50点
300万円~400万円 70点
400万円~600万円 90点
600万円~800万円 110点
800万円~1000万円 130点
1000万円以上 150点

 

たとえば、勤務先が中小企業であっても年収が高い人はその分のマイナスを取り戻せることになります。勤務年数が長く、収入が多いときには大手の正社員であっても年収が低い人よりもスコアリング点数が高くなります。

 

4.職業

職業もスコアリングでは重視される要素です。公務員や医師などは安定性があるとみなされて高いスコアになります。逆に自営業者やフリーターは低い点数となっています。

 

職業 点数
公務員・医師・弁護士・税理士 70点
正社員・教職員・学生 40点
自営業者・契約社員・派遣社員 10点
フリーター・パート・アルバイト 10点

 

5.電話番号

固定電話がある人は、申告した通りの家で暮らしてることが証明できるため、スコアが高く出ます。また、携帯電話と固定電話の両方を申告しておくと、連絡が付きやすいことから点数が高くなります。

電話 点数
携帯電話のみ 10点
固定電話のみ 20点
携帯電話と固定電話 30点

 

6.他社借入

通常、消費者金融業者では他の業者から借入しているかどうかが最重要ですが、この他に銀行のカードローンやクレジットカードのキャッシングの利用などをチェックされます。年収に対して借入額が多い人は無理な借入をしているとみなされて点数が低くなります。

 

ローン 点数
借入なし 20点
少額の借入 10点
返済能力以上の借入 0点
自動車ローン・住宅ローンあり 50点

 

住宅ローンを支払っているということは、連絡が取れなくなっても自宅に居住している可能性が高いために催促することが可能なので、スコアは高く出ます。

 

7.年齢
年齢 点数
20代 15点
30代 20点
40代 25点
50代 25点
60代 5点

 

消費者金融業者の利用は30代から40代が中心です。20代は勤務してから間もないケースもあるため、返済能力という点からも点数は若干低めです。一応は生産年齢である60代ですが、今後は退職することも考えられるため点数は低めに出します。

 

8.住居情報

住宅は「持ち家」に住んでいる人のほうが賃貸に住んでいる人よりも点数が高くなります。ここで言う持ち家は、自分の所有でなくても構いません。親の買った家に住んでいる実家暮らしの人も点数は高くなります。

 

一般的に賃貸住宅に住んでいる人は、持ち家に住んでいる人よりも「夜逃げする」確率が低く、返済が遅延したときの連絡もしやすい傾向があります。

 

住宅状況 点数
持ち家 40点
賃貸 10点
社宅 10点

 

信用情報

クレジットカードやカードローンを利用すると、氏名や住所、契約内容、支払い状況などが個人の信用情報として信用情報機関に登録されます。

 

日本には

  1. 株式会社日本信用情報機構(JICC)
  2. 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  3. 全国銀行個人信用情報センター(KSC)

の3つの信用情報機関があります。

 

消費者金融業者は主にJICCに加盟しています。大手になるとCICにもKSCにも加盟しており、すべての信用情報にアクセスできます。こういった信用情報機関にネガティブな情報が記載されていると審査では不利になります。

 

信用情報としてネガティブなものは、たとえば支払いの遅延や自己破産などの金融事故などがあり、こういった情報がある状態を俗に「ブラックリスト入りしている」と言います。

 

ブラックリストという名前のリストが存在しているわけではなく、金融の信用情報においてネガティブ情報があって信用力がないとされる状態を指します。

 

代表的なブラックリスト情報は以下の3つです。

 

債務整理

自己破産、任意整理、個人再生などの債務整理を行うと信用情報機関に「金融事故」として登録されます。これは非常に濃いブラック状態で、債務整理の情報が残っているときには大手ではほご100%契約することは不可能です。

 

情報機関に照会して「ブラックリスト入り」していると判明した時点で審査否決になります。情報は一生涯残るものではなく、一定の期間が経つと消去されます。

 

債務整理情報と登録期間
信用情報機関 自己破産 任意整理 個人再生
CIC 5年 5年 5年
JICC 5年 5年 5年
KSC 10年 5年 10年

 

この登録期間については諸説があります。KSCの自己破産情報の掲載期間が10年というのは確実性が高いですが、他の情報機関の登録期間については様々な情報があります。心配ならば、情報機関から情報開示してみましょう。

 

本人確認書類を提示することで開示請求ができます。

 

支払い遅延・延滞

クレジットカードやカードローンなどの返済を61日以上または3ヶ月以上遅延すると金融事故とみなされてブラックリストに登録されます。長期延滞と言われるものですが、61日なのか3ヶ月なのかは金融機関によって異なります。

 

通常、返済は1日や2日程度遅れるという程度であれば金融事故扱いはされません。2ヶ月以内に支払いをすればブラックリスト入りしないことになっていますが、短期間に複数回の遅延があるとブラックリスト扱いされます。

 

1つの金融機関に対して支払いの遅れが、1年間に3回より多くなると異動情報として登録されて、利用している金融機関の契約を強制解除されることがあります。

 

支払い遅延として記録される期間(返済が終わった日から)
信用情報機関 登録期間
CIC 5年
JICC 1年
KSC 5年

 

注意したいのは携帯電話やスマートフォンの本体代金を分割払いで支払っているときです。ここで分割払いは割賦契約で、ローンを組んでいるのと同様の状態です。そのため、分割払いの支払いに遅れると、クレジットカードやカードローンの返済の遅れと同様の扱いを受けます。

 

このことを知らずに消費者金融業者に申し込んでしまう事例は非常に多いと言われており、自分がそうなっていないか注意しましょう。通常の利用をしている分にはまったく問題ありません。

 

また、良くある勘違いですが、公共料金や税金、家賃の支払いに遅れても信用情報機関に遅延の情報が登録されることはありません。ただし、クレジットカード払いに設定していて、カードの支払いに遅れると信用情報機関に遅延情報として記録されます。

 

多重申込

短期間に複数消費者金融業者に申し込むと、業者の審査担当から「お金に困っている人」とみなされて審査に通過しにくくなります。俗に「申し込みブラック」と呼ばれる状態です。

 

クレジットカードや消費者金融業者に申し込んだという情報は、申し込みした日から6ヶ月の間は信用情報機関に記録されます。そのため、1社で審査に落ちた場合には、落ちてから6ヶ月以上の期間を空けて新たに申し込みするようにしましょう。

 

在籍確認

在籍確認とは

消費者金融の審査で重視されているものに「在籍確認」があります。主に申込者の勤務先に電話を掛けるもので、多くのユーザーに不評を買っています。なかには在籍確認を別の方法でするケースもありますが、近年ではますます電話連絡する傾向が強まっています。

 

これは日本の貸金業法が大きく関わっています。貸金業法第13条には、「顧客の資力、信用、現在の借入状況、返済計画の調査」と「顧客の個人信用情報の確認」を義務付けています。この確認作業の一環として行われるものが在籍確認です。

 

もし、申込者が申告した通りの職場に働いている実態がなければ、その人には返済能力がなかったということになります。

 

在籍確認よりもユーザーにとってハードルが高いものが収入証明書の提出です。収入証明書は1社につき50万円以上の借入の申し込みでない限り、提出しないで良いことになっています。そうなると、実際に働いているということを証明するものは、健康保険証のみになります。

 

もし、この健康保険証が盗まれたものであって、本人以外が申し込みをしていたとき、その申告を虚偽と見破る手段はないことになります。そういった意味でも、在籍確認はかなりの確率で電話連絡によって行われます。

 

具体的な方法

在籍確認は実際には非常に簡単なものです。職場に個人名で審査担当者が申込者を呼び出してもらうという形を取ります。このとき、本人がその場にいなくても構いません。

 

電話に出た人が「今席を外しております」「本日はお休みをいただいでおります」などと返答すれば在籍確認が取れたという扱いになります。会社名で電話することはありませんし、消費者金融業者の在籍確認だと他人に言うことはありません。

 

借金というものは本人にのみ属するもので、秘匿性が高いものとされているからです。どの業者も在籍確認では発覚しないように細心の注意を払っています。心配なことがあれば、申し込みした後に掛かってくる本人確認連絡の連絡で申し出てみましょう。

 

大手は多くのタイプの申込者の在籍確認をしてきた実績があります。困った事態に陥らないようにしてもらえます。

 

審査に落ちるのはこんな人

安定収入がない

毎月1回以上の給与または報酬を安定して支払われていない人は、安定収入がないとして消費者金融の審査に落ちます。各業者の貸付条件として必ず「安定した収入があること」とされています。

 

給与の形態は固定給や歩合給、時給制のいずれでも問題ありませんが、固定給の人のほうが若干有利とされています。毎月の給料を固定給で得ている人は収入の変動が少ないため、貸し倒れリスクが低いと見込まれます。

 

また、収入のない学生や専業主婦、失業者は消費者金融で契約することは困難です。一部の業者では年金受給者も申し込みすることができますが、少数の業者に限ります。

 

安定収入は「自分が働いた実績の結果としての報酬」であって、たとえば生活保護を受けている人などは審査に通りません。学生が実家から仕送りを受けている場合も収入にカウントしません。

 

「無職でも借入可能」とうたっている業者をインターネットで見かけることがありますが、正規の業者でこういった融資をしているところはなく、もし見つけたらそれは100%闇金です。正規の業者であれば返済能力がない無職に融資することはないからです。

 

無職でも大丈夫という業者は悪質な違法業者である可能性が高いので、決して関わらないようにしましょう。

 

金融ブラック

信用情報に長期延滞や債務整理といった金融事故を起こした人に対しては、貸し倒れリスクが高いとして、消費者金融の審査では否決されます。金融事故情報は「異動情報」と呼ばれ、信用情報機関に一定期間登録されます。

 

信用情報機関は日本に3つありますが、大手になると3つすべてに加盟しているケースがあり、何らかの金融事故を発生させたときには、そのすべてを審査担当者は把握できます。

 

ただし、一定の期間を過ぎれば借入ができる状態に復帰します。生涯にわたってどこからも借りることができないというわけではありません。過去に金融事故を起こしたことのある人は、審査を受ける前に異動情報が信用情報機関から消えているかどうかを確認しましょう。

 

また、金融事故を発生させて、まだ異動情報が残っている状態から借入できることもあります。主に中小の業者ですが、延滞が解消していて、どこからも借りていないという状態であるときには審査担当者の自己判断で借入契約を結べることもあります。

 

この「ブラック可」の業者ですが、そういった判断をして貸し出ししていても、その事実を公式に発表することはありません。「ブラックでも借りられる」などの広告を出す行為は貸金業法で禁じられています。

 

もし、ブラック可の業者を探すのであれば、中小の業者で、「柔軟な審査をしています」とうたっているところを狙ってみましょう。現在は中小の業者についての情報も多数ネットには出回っており、安心して借りられる業者は全国にたくさんあることが分かっています。

 

間違っても闇金から借りることのないよう気をつけましょう。

 

短期間の複数申し込み

短期間に複数の申し込みをしたときにも、審査に否決されてしまいます。業者からすると、「相当お金に困っている状態だ」と判断して貸し倒れリスクが高いとして審査を否決します。いわゆる申し込みブラックと呼ばれる状態です。

 

申し込みブラックになってしまうのは、「たくさん申し込めば1つくらいは審査に受かるだろう」という甘い見込みを持っていることが要因であるケースが多くあります。普通に審査されていれば通過できる状態である場合、非常にもったいない行為です。

 

良く検討して良さそうだと思える業者に絞って申し込みをしましょう。ただ、もうひとつの要因として考えられるものに「検討して申し込みをしたら否決されて、焦って2件目に申し込んだ」という場合もあります。
こうなると負の連鎖に陥ってしまい、また否決されて申し込みをするという状態になります。自分が審査落ちした要因を良く考えて、6ヶ月以上待ってから再度申し込みをしましょう。

 

ブラックリストはいったん登録されてしまったら自力で解消することはできません。ブラック情報が削除されるのを待つ以外には他に方法はなく、自分ではどうしようもありません。

 

ここでも、中小の業者なら審査に通る可能性があります。申し込みブラックという程度なら、債務整理に比較すると制裁は甘い部類です。中小の業者に行って事情を話せば条件次第で借りることも可能です。

 

スーパーホワイト

消費者金融の審査に通らない要因として厄介なものに「スーパーホワイト」というものがあります。ブラックとは逆の状態です。これも審査で不利になります。これは、信用情報にブラック情報があるどころではなく、まったく何の利用履歴もない状態のことです。

 

審査担当者が返済能力を見極めるのが難しい状態と判断されます。

 

社会人であれば、1枚くらいはクレジットカードを持っているもので、それを利用したこともあるでしょう。その利用履歴はクレジットヒストリーと呼ばれ、その人がどのように金融を利用してきたのか分かるようになっています。

 

ある程度の年齢に達している人にクレジットヒストリーがまったくないとき、その人は果たして返済能力があるかどうか疑わしくなります。「何か事情があってカードを作れなかったのではないか」と審査す側は考えてしまいます。

 

過去に金融事故を発生させてブラックになった人は、一定の期間を経ると利用履歴が削除され、スーパーホワイトの状態になります。審査担当者はスーパーホワイトの人に対して「ブラックになってから履歴が削除された人」かもしれないし、まったく利用履歴がない人かもしれないと考えます。

 

そのため審査で不利になることがあります。もしスコアリング審査で通過ギリギリの場合には否決される可能性もあります。

 

ただ、このような状態から脱するのは比較的容易です。審査があまり厳しくないクレジットカードに申し込みして、それを実際に利用することで金融履歴が記録されます。クレジットヒストリーは綺麗な状態ですので、消費者金融の審査に通過しやすくなります。

 

携帯電話の料金滞納

携帯電話やスマートフォンなどを契約すると「2年契約」「3年契約」などになって、この間に機種を変更すると違約金を取られます。この契約期間は、端末本体の代金の分割払いをするために設定されていることがほとんどです。

 

携帯電話料金の請求には「本体の料金の分割払い」が含まれており、これはショッピングの割賦払いと同じ扱いです。割賦払いをしている最中に利用者から解約したときに、端末本体の料金が未払いになってしまうので違約金という形で支払いを終えてもらうことになっています。

 

この本体の分割払いが厄介なのは、使用料と別にして支払うことができない点にあります。購入したときに、端末代を支払っている人はまれでしょう。普通は利用料金プラス端末代の分割払いが1ヶ月の料金として請求されます。

 

そのため、もし携帯電話の利用料金を滞納すると、端末代の分割払いの支払い遅延としてみなされてしまいます。そのため、本人の知らないところでブラックリスト入りしていることがあります。

 

このタイプのブラック入りは若い人を中心に非常に多くあるケースとして報告されています。もし消費者金融に申し込むことを考えているのであれば、毎月のスマホ代をしっかり払ってきたか確認しておきましょう。

 

他社借入が多い

他社からの借入が多いときにも消費者金融の審査には落ちてしまいます。消費者金融に関係する法律は貸金業法で、そこには総量規制という規定があります。「利用者の年収の3分の1を超える額を貸し付けてはならない」とする法律です。

 

年収が300万円の人が、すでに貸金業者から100万円を借りているとき、新規の申し込みでは審査に通りません。

 

この規制は貸金業者にのみ適用されるもので、消費者金融業者とクレジットカードのキャッシング枠の2つが対象です。銀行や信用金庫は別の法律を適用するので、通常は総量規制で決められた「年収の3分の1以上の借入」として計算しないことになっています。

 

とはいえ、近年では個人向け融資の貸しすぎが問題となっており、本来は貸金業法とは無関係の銀行のカードローンも総量規制として自主的に取り扱うことが増えています。貸金業者だけでなく、銀行のカードローンやクレジットカードのショッピングリボ払いなどで借りすぎているときに、審査は不利になります。

 

貸金業者からの借入では、借入額だけでなく借入件数も問題となることがあります。同じ借入額でも多くの業者から借りているときに、審査で否決されるケースもあるので注意しましょう。消費者金融業者への申し込みでは、新規の業者が4件目であるときには総量規制に関係なく審査を否決することがあります。注意しましょう。

 

虚偽申告

消費者金融の審査を受けるときに、少しでも自分を良く見せようとして実際よりも「盛って」内容を申告すると、嘘がバレたときには審査落ちしてしまいます。特に年収や他社借入で嘘を付くのは大きな問題とみなされます。

 

嘘をついて申し込みした人は虚偽申告をした人として、その業者の社内記録に名前が残ってしまうこともあります。嘘をついてもバレないだろうと高をくくっていると、思わぬ不幸を招きます。

 

大手の消費者金融は、数多くの審査をやってきた実績があります。同じような年齢で、同じような職種、立場である人の年収はかなり正確にあてることが可能です。自分が勤めている会社の誰かが、申し込もうとしている業者のユーザーであることもあります。

 

このとき、おおよその年収は把握されています。くれぐれも嘘はつかないようにしましょう。

 

また、申し込みのときの記入・入力ミスも非常に多いことが業界関係者から報告されています。数値の入力ミスが致命的になることもあります。金額・数字・電話番号の入力は慎重に行いましょう。

 

消費者金融で審査に通るコツってあるの?

抑えておきたい基本

消費者金融に申し込むにあたって個人属性などに不安がある人もいるでしょう。非正規社員だったり、収入が低かったり、社会的な地位が低かったりすることで審査に通るか心配という人は数多くいます。

 

かといって、申告で嘘を付けば多くの場合でバレてしまいますし、そうなったら審査には否決されます。実際に、消費者金融の審査で「こうやったら審査に通過できる可能性が高まる」といった特別なコツや技はありません。

 

というのも、消費者金融での申込情報のなかで特に審査結果に結びつきやすいのは収入と勤務先、勤務形態、他社での借入状況であって、今すぐにどうにかできるものは少ないからです。

 

審査では「今だけでなく、将来的に返済を継続できるか」が重視されてしまうため、「誰でも・すぐに」実行できる効果的な方法は存在しません。

 

あえてコツを挙げると以下のようなことに注意してみましょう。

借入目的にギャンブルや投資を選ばない。

借入の目的を記入・入力する欄には、わざとギャンブルや投資という項目を入れています。もしギャンブルで借金してしまってそれの返済だとしても、生活費などの当たり障りのない目的で借りることにしましょう。

 

可能なら、他社借入件数を減らす。

他社借入では金額も重要ですが、件数も重要です。もし、すぐに完済できる借入先があったら完全に返済しておき、できれば解約までしておきましょう。

 

勤続年数が積み上がるのを待つ。

特に就職・転職して1年が経っていないのであれば、12ヶ月目に入るまで待ってみましょう。11ヶ月は1年未満ですが、12ヶ月は1年です。そのような個人属性が上がる予定があるなら、それを待ってみましょう。

 

転職を予定している人は、転職する前に申し込みしておくことが重要です。

 

嘘をつかないこと

消費者金融業者の審査はスムーズに進まないこともあります。それは申込者のステイタスや借入状況にマイナス面があって、審査に通るギリギリのときです。こういった状況で、審査の担当者から連絡が入ることがあります。

 

たとえば職業や職種などを申告しているが、担当者からさらに「普段はどのような仕事をしているのか」とか「収入形態は時給か」「時給なら月の平均的な稼働時間はどのくらいか」などを聞いてきます。

 

もっとプライベートなことに踏み込んで聞かれることもあります。「そもそもなぜお金が必要なのか」などを聞かれることもあります。こういった詳しい聞き取りをするということは、多少審査で不利な点があったということです。

 

ここで不自然な回答をしたり、本当のことならすらすら答えられるはずなのに言いよどんだりすると、審査落ちにつながったり、さらに書類の提出を求められたりします。

 

重要なのは、「嘘をつかない」ことです。社会人らしくハキハキと明快な回答をするように心がけましょう。審査の結果を左右するようなことであれば、なおさらしっかりと返答することが重要です。審査の担当者は毎日多数の申込者の状況を細かに見ていまます。

 

ここで嘘をつくくらいなら、現状を正直に訴えたほうが審査に通過しやすくなります。逆上するのは印象を悪くするだけです。

 

自信がないときには

自分に明らかに審査で不利な部分があると分かっているときには、審査のときに事前に話してみましょう。向こうから聞かれる前に話しておくという手段です。

 

「訊かれたときでいいや」と考えるのではなく、先に「こういう問題があるが、どうしても借りる必要がある」と申し出るのは非常に有効な手段です。

 

中小だけでなく、大手の消費者金融でブラック状態の人が借りることができたという報告は多数ネットの口コミ情報に寄せられています。

 

こういった人に共通する特徴として以下のようなものがあります。
  • 低収入、または個人属性が非常に弱い。
  • どうしても借りなければならない事情がある。
  • 他社借入がない、または非常に少ない。

 

収入が低いために生活を送るだけで精一杯という人で、まったく消費者金融を利用したこともなかったところ、急に冠婚葬祭に出席しなければならなくなり、旅費や洋服代がなかったとき、大手の消費者金融の無人契約機を使って事情を話した結果、必要最低額だけ貸してくれたという事例があります。

 

聞き取りは少なくても1回必ず実施されます。契約申し込みをした直後の本人確認のときです。申し込みをした人が本人であるかどうかを、電話で確認するものです。

 

無人契約機ならブースのなかのスピーカーを通してオペレーターが聞き取りをします。このときに、自分の置かれた状況を正直に話してみましょう。

 

有人店舗に行ってみる

事情あり・訳ありの人のなかで以前から言われていることに、「有人店舗の窓口で申し込むと他の方法よりも審査に通りやすくなる」というものがあります。明確なデータがあるわけではありませんが、充分にあり得る話です。

 

消費者金融の審査といっても、最終的には担当者本人の裁量に任されています。消費者金融の実店舗には国家資格を持った担当者を必ず配置することは法律で定められています。

 

こういった人に相談しながら申し込みをすると、審査に通りやすい書類作りを教えてもらえることもあると、ネットでは囁かれていますし、実際にあり得ることです。

 

何らかの事情があって、審査には自信がないがどうしても早く借入しなければならないという人は、近くにある有人店舗の窓口に行ってみましょう。

 

大手の消費者金融業者で有人店舗の窓口を設置しているのはアコム・アイフル・プロミスの3社です。店舗は都市部に集中しており、数も少ないですが、それなりに意味のあることと考えられます。

 

まとめ

消費者金融の審査の基準は明確には分かっていませんが、ある程度のところまでは判明しています。定期的な収入があり、信用情報に問題がないというのが条件となります。

 

審査に自信がないという人も、自分の事情を正直に話すようにしてみましょう。

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