生命保険を解約せずにお金を借りる!契約者貸付制度とは
「近々お金を用意しなければならなくなった」と言う場合、生命保険を解約すれば解約返戻金を受けとることが出来ますが、解約してしまうと保証の受けられなくなってしまいます。そんな時は保険を解約せずに「契約者貸付制度」が利用できます。
金融機関からお金を借りるより低い金利で利用出来ますし、「カードローンで借りるのもちょっと不安」という方におすすめの方法です。
「契約者貸付制度」とはどういうものか、利用するにはどうすればよいかなど基本的な事を紹介します。これからこの制度を利用したいという方は参考にしてください。
≪目次≫
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契約者貸付制度とは?
自分が契約している生命保険の解約返戻金を担保にして、生命保険会社からお金が借りられる制度の事で、借り入れ可能な金額は、解約返戻金額の70~90%の範囲が一般的ですが、保険会社や生命保険の種類によって違いがあります。
契約者貸付制度は積立型の保険の、個人年金保険や学資保険、終身保険、積立型の生命保険などで利用出来ます。
契約者貸付が利用できるのは「保険の契約者」だけで、お金を借りるわけですから、必要書類の提出が必要になります。「契約者貸付制度」で借りたお金は借りたお金を返済するだけでなく、当然ながら利息も合わせた返済が苦になります。
契約者貸付制度の金利はどれくらい?
貸付利率は生命保険契約の時期などにより違いがありますが、通常は契約した生命保険の予定利率に1~2%を上乗せした程度に設定されていることが多いです。
参考までに、大手保険会社の金利は
保険会社 | 金利(年率) |
---|---|
かんぽ生命 | 2.25~6.0% |
日本生命 | 3.0~5.75% |
第一生命 | 3.0~5.75% |
住友生命 | 1.55~5.75% |
明治安田生命 | 2.15~5.75% |
太陽生命 | 3.0~5.75% |
となっています。
実際に適用される利率は、契約時期、保険商品の種類、契約者貸付の利用時期によって多少の違いがあります。
契約者貸付制度の申し込み方法
契約者貸付制度を申請した場合、一般的に融資の実行まで、通常3日~1週間程度で振込みされます。生命保険会社や契約状況によっては違いがあるので、確かな事は契約している生命保険会社に問い合わせてみる必要があります。
大まかな流れは
申込前に担保となる保険の「証券記号番号」を確認しておきます。
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契約者自身が保険会社へ「契約者貸付制度」を申込みます。
申し込み方法は、ホームページから申込む方法や電話での申し込み方法、郵送による申し込み方法から選べるので、自分の環境に合わせた方法が選べます。
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必要書類の準備と、契約者貸付制度の申込書に必要事項を記入します。
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必要書類を保険会社に提出します。
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手続き完了後、3日~1週間程度で指定口座へ振込をして貰えます。
即日融資も可能
「どうせ借りるなら出来るだけ早く借りたい」と誰もが思う事ですが、契約者貸付制度は即日融資に対応している保険会社もあります。
たとえば、かんぽ生命や第一生命、日本生命、明治安田生命、住友生命、朝日生命、太陽生命は、最短当日中にお金を借入れることができますが、詳細はホームページで確認しておく事があります。
- 受付時間
- 申込に必要となる お客様番号や暗証番号、契約番号、証券記号番号、証書番号など
- 申込みの時に必要になる書類で、本人確認書類や各保険会社のカード、保険証券など
- お金を受け取れる時間(平日の14時30分までに申込を済ませていれば最短当日融資が可能)
- 手数料がいくらか
などを確認しておきましょう。
契約者貸付制度の返済方法
契約者貸付で借入れたお金は、少なくとも満期までに返済しなければなりません。
一般的には下記のような方法で返済します。
生命保険会社と提携している銀行に口座がある方は、ネットバンキングサービスを活用することでインターネットから返済することができます。
提携先の銀行などのATMから返済を行うことが可能で、保険会社から送られてくる振込用紙を使って金融機関ATM、コンビニなどで支払が出来ます。
口座情報は電話問い合わせや会員ページで確認する必要があります
生命保険会社の窓口に持参することで返済を行うことが可能です。
契約者貸付のメリット
契約者貸付制度は、メリットばかりではなく、デメリットもあるので、申込をする前に確認しておく必要があります。
契約者貸付制度を利用しても、変わらず保障を受けられる。
積立型の保険を解約した場合、今まで支払った金額から保険金に充てられる保険料や手数料などを差し引いた金額が返還されます。
解約してしまうと、当然のことですが保障がなくなってしまいます。契約者貸付制度は、保証はそのままでお金が借りられます。
他のローンより低い金利でお金が借りられる。
契約者貸付制度でお金を借りると、生命保険会社が定めた利息が必要になります。
その利率は、契約している保険の予定利率とも関係しているため、同じ保険会社でも保険の契約時期によって違いがありますが、一般的には、契約者貸付制度の利率は約3~5%くらいなので、金利が低いと言われている銀行カードローンよりさらに低金利でお金が借りられます。
保険の契約期間内ならいつでも好きなときに返済可能
契約者貸付制度でお金を借りた場合は、一般的なローンのように毎月いくらずつ返済するというような取り決めはありません。お金が返済できる時に、一括でも分割でも返済することが可能です。
ただし、保険会社により最低いくら以上、いくら単位などと返済する金額についての規定はあります。
契約者貸付制度のデメリット
契約者貸付制度は、有利な条件でお金を借りられますが、デメリットになる事もあります。
返済が長引けば、利息を併せた返済額が増える事もある。
契約者貸付制度は、消費者金融や銀行カードローンなどと比べると、低い利率でお金を借りることが出来ます。契約者貸付制度の返済は返済日が決まっているわけではありません。
だからといって、長期間借りたままにしておくと、利息が元金に組み入れられ、何年か経つと返済額が多くなってしまう事もあるので、借りたお金は計画的に返済していくことが重要です。
保険金等の支払いが発生した場合は、借りている金額が差し引かれる。
契約者貸付制度でお金を借りた状態で保険金の支払いが生じた時、保険金の中から借りた金額とその利息が差し引かれることになります。思っていた金額にならないという事もあるので注意が必要です。
返済しないでいると保険が失効あるいは解除になる事もある。
契約者貸付制度でお金を借りて返済をしなかった場合、利息が増えて、解約返戻金に対する貸し出し限度額を超えてしまう事があります。
そのような場合は保険会社から返済の案内が届くので、保険会社から提示された期日までに指定の金額を返済しなければならなくなります。
さらに保険会社からのお知らせがきても返済しない場合は、保険が失効したり解除されたりしますのでご注意が必要です。
まとめ
契約者貸付制度をうまく利用すれば、保険契約を解約することなくお金を用立てることができますが、注意が必要なのは、返済が長引くと保険が失効してしまう事もあります。
急にまとまったお金が必要と言う場合は、カードローンの金利より低い金利で利用できるので、短期返済で利用するつもりなら、加入中の生命保険の契約者貸付制度も選択肢のひとつに加えてみてはどうでしょうか。