マイナス金利はカードローンにどんな影響を受けた?

マイナス金利はカードローンにどんな影響を国民に与えたのか

2016年日銀が「マイナス金利政策の導入を決めた」というニュースが流れ、連日ニュースでも話題になっていましたが、あれから2年経過しました。

 

マイナス金利とはどういう事なのか、国民にどんな影響を与えたのかを紹介します。

 

 

≪目次≫

  1. マイナス金利とは
  2. マイナス金利の目的は?
  3. マイナス金利で受けた影響
  4. マイナス金利はカードローンにどんな影響を与えた?
  5. まとめ

 

 

マイナス金利とは

 

銀行にお金を預けると預けたお金に対して利息が付きます。お金を預けたら利息をもらえますし、お金を借りたら借りたお金に利息を上乗せして支払う事になります。

 

また、預金やお金の借り入れに対して発生する利息の割合が「金利」です。一般的には通常金利の割合は年○%となっているので、お金を預けると利息がもらえますし、お金を借りると利息を払わなければなりません。

 

しかし、マイナス金利になると、計算上ではお金を預けると利息を取られ、お金を借りると利子がもらえるという逆転現象が起きます。

 

たとえば、通常金利の場合は100万円を金利1%で預けると1万円に対して利息が付くので、101万円に増えます。

 

マイナス金利の場合、100万円を金利-1%で預けると-1万円の利子ということになるので、預けているだけで100万円が99万円に減ってしまうという現象が起こります。

 

マイナス金利が民間の銀行と私たちの間で適用されると、民間の銀行へお金を預ける人がいなくなってしまいますが、今回のマイナス金利政策は、民間の銀行と日本の中央銀行との間の事なので、直接個人や企業の預貯金には関係はありません。

 

マイナス金利の目的は?

マイナス金利導入後は、民間の銀行が日本銀行にお金を預けても今までのように利息を受け取ることは出来ず、反対に利息を支払う事になってしまいます。

 

そこで、民間の銀行は日本銀行へお金を預けると預金が減ってしまうので、少しでも利益を上げるために、低い金利でもいいから企業や個人に貸しだす事を考えます。

 

そのため、今まで日本銀行と民間の銀行の間だけで動いていたお金は、一般市場に出回る事になります。そうすることで、お金の流通が増え「経済活動が活発化する」という事が日本銀行の狙いです。

 

また、金利が下がると日本円を持っていても利益にならないので、日本円を売ったり、他の通貨に替えたりするので、円安傾向になり、円安が進むと、海外からの観光客も増え、輸出業者にも良い影響が出てきます。

 

マイナス金利は、日本全国の大手銀行から地方銀行まで、すべての銀行に対して同じように適用されるので、銀行各社は少しでも多く利用してもらうために金利を下げ、顧客獲得に努めています。

 

マイナス金利で受けた影響

マイナス金利によって大きな影響を受けたのは民間の銀行です。金利収入が減ったので当然の事で、最近では日銀にお金を預けて「目減りするよりは金利を付けなくてもよいから貸し出す方が得」と考える銀行も出てきました。

 

また、保険会社も大きな影響を受け、契約者から預かった資金運用が難しくなった事から一部の保険商品は保険料の値上げに踏み切った保険会社出てきました。

 

反対にマイナス金利がメリットになったのは、不動産業界です。

 

マイナス金利で住宅ローンの金利が下がったため、不動産の販売が好調となり、その流れは投資の一環として、賃貸住宅の経営に乗り出す人が増えており、新たにマンションを購入して賃貸住宅として貸し出し、家賃収入を得ようとするオーナーが増えています。

 

また、土地を持っている人が賃貸住宅を建設するケースが多くなり、賃貸住宅ブームが起きたほどで、こうした動きについては「第2のバブル期」と呼ばれています。

 

マイナス金利はカードローンにどんな影響を与えた?

マイナス金利は、不動産業界や観光業界は良い影響が出ていますが、お金を借りるカードローンについてはどうでしょう。カードローンの借り入れを比較する時、一番気になるのが金利です。

 

実際のところは、散発的にネット銀行カードローンを中心として、下限金利の引き下げがおこなわれましたが、この動きに追随したのは一部の銀行カードローンにだけで、カードローン業界全体に与えた影響はほとんどありませんでした。

 

金利の引き下げを実施したカードローンも、一部は数%の引き下げ幅でしたが、ほとんどは少数点以下の引き下げだけで、思っていたほどの影響はなかったようです。

 

また、マイナス金利政策の導入に合わせて、借入限度額の引き上げを期待する意見もありましたが、限度額の増額は、金利の引き下げよりもさらに小さな動きに終わり、実質ほとんど動きがないままに終わっています

 

借入限度額の引き上げがなされなかった理由は、既に制度の上では数百万円から1千万円の設定があることや、銀行の過剰融資が問題になり、貸し出しについては自主規制を行うようになり、これまでと同じ条件で貸し出し出来なくなった事も理由のひとつです。

 

まとめ

カードローンに対してマイナス金利の導入は、現在のところほとんど影響を受けていないというのが実情です。ただ、大手消費者金融の資金調達は、銀行からお金を借りて、それを貸し出しているという面があります。

 

ですから、銀行の貸付金利が変動すれば、それによって貸し出す際の金利に影響がある可能性は十分に考えられるのではないでしょうか。


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