消費者金融の賢い返済方法
消費者金融を利用するにあたって、返済が不安という人は多いでしょう。遅れずに返済したいが、あまり気を使いたくないと考える人もいれば、返済してもなかなか残高が減らないので返済意欲をそがれている人もいるでしょう。
なんとなく返済するのではなく、計画的に支払っていくことで確実に残高は減っていきます。
返済の基本知識
消費者金融で借りたお金は、基本的に毎月請求される「最低返済額」を支払っていれば問題はありません。消費者金融の提供しているローンでは、審査によって決定された限度額の範囲内なら何度でもいくらでも借入ができるようになっています。
借りたお金は返済しなければなりませんが、多くの消費者金融で「借入金額に応じた毎月の返済額」を決めています。使った分に応じて上下に変動しますが、決まった一定の額を支払っていくシステムですので、クレジットカードのリボ払いとほとんど変わりません。
実際、消費者金融の返済方式は「元利定額残高スライドリボルビング払い」という方法になっています。毎月一定の額を支払うのでリボ払いです。
クレジットカードのリボ払いは通常、契約するときに「毎月1万円」「毎月5000円」などと決めることになっており、その額に変動はありません。消費者金融はリボ払いではありますが、会社ごとに返済額はまちまちで、しかも利用残高によって変動します。
消費者金融で採用されている返済方式の多くは「元利」方式です。返済額の決め方については各社で異なっていますが、返済が元利方式であることには変わりません。
「元利定額残高スライドリボルビング方式」や「元利定率方式」などがあり、それぞれに若干の違いがあり、各社で呼び方の表記にユレがあるために分かりにくい面もありますが、まずは「元利」の意味を確認しておきましょう。
元利というのは、毎月の返済額に利息を組み込む方式のことを指します。たとえば、1万円を返済したときに2000円を消費者金融に利息として支払い、残りの8000円を借金の返済に充てるというのが元利方式です。
クレジットカードに良くある返済方法では、毎月一定の支払額に利息を上乗せするやり方を採っていますが、消費者金融では支払額そのものに利息が含まれています。このことが返済計画を難しくしており、効率的な返済をしようとするときに、必ずと言っていいほど障壁となります。
消費者金融ではたとえば「借入後残高スライド元利定額返済方式」という名称を使ったり、「残高スライド元利定額」という名称を使ったりするなど、非常にややこしいと感じられます。
まずはどの業者でも「返済したお金のすべてが借金の返済に使われるわけではないこと」「返済したお金から利息も支払っていること」を覚えておきましょう。
消費者金融では最低返済額は借り入れした額によって変動します。借入残高は「最後に借りたときの残高」で、返済を続けている限り変わりません。
最低返済額を支払うとき、利息にいくら使われて借金の返済にいくら充てられるのかを知っておくことは効率的な返済計画を立てるのに役立ちます。
消費者金融 | 最低返済額 | 金利(年率) | 利息(30日) | 元金充当額 |
アコム | 5000円 | 18.0% | 1479円 | 3521円 |
プロミス | 4000円 | 17.8% | 1463円 | 2537円 |
アイフル | 5000円 | 18.0% | 1479円 | 3521円 |
SMBCモビット | 8000円 | 18.0% | 1479円 | 6521円 |
アコムとアイフルは最低返済額も金利も変わらないため、同様の結果となります。プロミスは最低返済額が最も低くなっており、最も高いSMBCモビットに比較して2倍の差があります。これはメリットもデメリットもあります。
1回の返済は楽ですが、元金に充てられる金額が少なくなるため、結果的に返済する期間が長くなってしまいます。その分だけ多く利息を支払うことになります。
消費者金融 | 最低返済額 | 金利(年率) | 利息(30日) | 元金充当額 |
アコム | 3万円 | 15.0% | 1万2328円円 | 1万7672円円 |
プロミス | 2万円 | 15.0% | 1万2328円 | 7672円 |
アイフル | 3万円 | 15.0% | 1万2328円 | 1万7672円 |
SMBCモビット | 3万円 | 15.0% | 1万21328円 | 1万7672円 |
借入額が100万円となると、まずは金利が15%と低くなります。プロミス以外の3社では最低返済額は3万円と横並びになっています。
プロミスは最低返済額が2万円と最も低くなるため、元金の返済に充てられる額も減ります。そのため、返済期間が長引いて総返済額が増える傾向が出てきます。
主な返済方法とメリット・デメリット
ATM入金
最も利用する機会が多いのがATM入金での返済でしょう。返済は即時反映されるため、期日にギリギリ前日の午後11時59分であってもコンビニのATMを使って入金できる点は、高いメリットがあると言えます。
ただ、主に日曜日の深夜から翌月曜日の早朝にかけてメンテナンスを行うATMが多いため、できれば早めに返済を済ませておく必要があります。返済日ギリギリの支払いに対応している点では便利ですが、問題となるのが手数料です。
1回ごとの手数料は非常にわずかですが、ATMを使うごとに毎回かかってくるものであるため、最終的には他の方法と大きな金額の差となって現れることもあります。
また、ATMでは1000円以下の端数の支払いは原則的に不可能です。例外的に「平日午前8時から午後6時までの三井住友銀行のATM」などでは、硬貨の取り扱いがあるため1000円以内の端数でも支払いが可能です。
とはいっても、非常にレアケースですので端数の支払いまで実施したい場合には、インターネットや銀行振込を利用したほうが確実です。
【ATM手数料】
- 取り扱い1万円以下:110円
- 取り扱い1万円超:220円
ネットバンキング
インターネットサービスを使って口座からお金を動かして返済する方法も多くの人が実行しているでしょう。自分が口座保有している銀行のネットバンキングサービスを利用すれば、簡単に入金することが可能です。
アコムでは公共料金の支払いなどに利用されているペイジーサービスを使って様々な金融機関のネットバンキングから入金することが可能です。一方で、消費者金融側が指定した銀行以外の口座からの入金を受け付けないケースもあります。
代表的なのがプロミスで、指定された銀行のネットバンキングからしか入金できません。
【プロミスにネットバンキングで入金できる銀行口座】
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- ジャパンネット銀行
- 楽天銀行
ネットバンキングは、プロミスで銀行の指定がある以外に欠点らしい欠点はありません。手数料は多くの業者で無料ですし、端数の返済も可能です。基本的に入金は即時反映ですので、返済期日ギリギリの支払いでも遅延になりません。
スマホアプリとセブン銀行ATM
スマホアプリを使った借入・返済は、プロミスとSMBCモビットなどの大手の消費者金融で採用されています。この2社ではローンカードを発行しない「カードレス契約」が可能で、こちらで契約するとカードなしで返済が可能です。
家族や知人に借金の事実を知られないようにと考えて、ローンカードを秘密の場所に保存するという人は多くいます。このとき、「返済日なのにローンカードが見つからない」という事態が多く発生します。自分でどこに隠したのか忘れてしまうケースです。
スマホアプリを使って返済する場合には、こういったトラブルは発生しにくくなります。また、カードがないため他人に発覚する可能性が非常に低くなります。
アプリを使った返済は、現在のところ業者はプロミスかSMBCモビット、使えるATMはセブン銀行のATMに限ります。他のATMではまだ活用できていませんが、いずれ他社も追随していく可能性があります。セブン銀行のATMを使うことになるので、必ず所定の手数料がかかります。
また、セブン銀行のATMでは利用できるのは紙幣のみで、硬貨は使えません。そのため、1000円以内の端数の支払いでは使えないことになります。完済したいときには、ネットバンキングなどに頼ることになります。
銀行振込
ネット対応していない業者に返済する方法として、ATMを使うか銀行振込にするかという二択に限られることもあります。この方法のメリットは端数の返済ができるという点しかありません。後はデメリット一方です。
【銀行振込のデメリット】
- 振込の反映が遅い
- 銀行の営業時間以外の時間帯では反映が遅くなる
- 振込手数料がかかる
- 振込先指定を自分でする必要がある
そのため、毎月の返済方法としておすすめはできません。唯一のメリットである端数返済を使って「残高を一気に全額返済したい」という場合にのみ活用しましょう。むしろ、これ以外の使い方はないと言っても良いくらいです。
銀行振込は一般的に、銀行の営業日である平日の午前9時から午後3時までに振込が反映されることになっています。もし返済日当日の午後3時以降に振込を行うと延滞扱いになるので注意しましょう。
1日程度の遅れはあまり問題とはなりませんが、何度も繰り返していると、増額の申請が通りにくくなるといった弊害が起きます。
店頭窓口
有人店舗を設置している業者では、店頭で返済することもできます。また、無人契約機にはATMが併設されていることも多く、このATMは手数料は無料ですし、端数も返済可能です。
手数料がかからないというのはメリットですが、わざわざその場所まで行かなくてはならないというデメリットがあります。逆に、窓口で何か相談したいときに利用するのは良いでしょう。業者によっては、まったく有人店舗がないケースもあるので注意が必要です。
リアル店舗には法律によって、国家資格である「貸金業務取扱主任者」を配置しなければならないとされています。つまり、貸金業の専門家が必ずいるということです。契約で分からないことがあったり、返済に困ったりしているときに相談に乗ってもらえます。
増額を申請する際にも相談に乗ってもらえますので、利用する価値はあるでしょう。また、借入残高を完済するという場合にもリアル店舗は便利です。1円単位でその日までの利息を正確に計算してもらえます。その場で支払えば完済です。
自分の手で計算して支払ったのに、微妙に1円単位で残高が残ってしまうといったミスが防げます。
自動引落
クレジットカード会社の多くが、毎月の支払いを自動引落にしていますが、消費者金融でも同様のことができます。毎月決まった日に決まった額を引き落としてもらうというやり方です。
この方法のメリットは、返済忘れがないという点です。口座に支払額以上の残高がある限り、絶対に返済に遅れることはありません。
ただし、消費者金融では自動引落にする手続きにはやや時間がかかる傾向があります。アコムに申し出ると、2ヶ月から3ヶ月程度待たされます。自動引落の手続きが完了するまではATMを使った返済などが必要になります。
口座自動引落は、長期間の利用になる場合には有効な方法です。口座から自動的に最低返済額が引き落とされていくので、忘れることがありませんし、繰り上げ返済・随時返済したいときにはATMを使うといった方法が可能です。
通常は口座から引き落とすことにして、お金に余裕があったり臨時収入があったりしたときにATMで返済するといった利用方法が考えられます。
意外な落とし穴・ATM手数料
ATMでかかってくる手数料ですが、毎回非常に少額であるため気にする人は少ないでしょう。確かに1回あたりの手数料は大きくありませんが、毎月の返済をすべて手数料のかかるATMで行うと支払総額に3%ほどの差が出ます。
3%をどの程度と考えるかは個人差がありますが、意外な落とし穴になっているので注意しておきましょう。
【ATM手数料】
- 取引1万円以下:110円
- 取引1万円超:220円
毎月の返済額を1万3000円としたとき、これをすべて手数料のかかるATMで支払うと、支払い回数は30回で手数料は7150円となります。もし手数料なしで返済した場合、支払い回数が1回減って29回となります。
手数料がなければ約9000円の支払いを節約できるという計算結果が出ています。30万円に対する9000円はちょうど3%となります。
手数料が増えるほど、利息も増えるという悪循環も生みやすいため、なるべく手数料をかけない方法で返済しましょう。
繰り上げ返済で利息をカット
消費者金融から借入して返済している最中に、「返しても返しても一向に借金が減らない」という感覚に陥ることは良くあることです。たとえば、金利18%で10万円を借入したとき、30日後の利息は1479円となります。
5000円返済しても、利息を差し引かれた3521円しか元金には充当されません。残高は9万6479円です。さらに翌月5000円返済すると、利息は1427円、元金充当額は3573円で残高は9万2906円となります。
5000円を2回返済したのに、借金は7000円しか減っていません。そのため、一向に借金が減らないという印象を受けてしまう結果になります。
これに対処する方法は「繰り上げ返済」しかないと言っていいでしょう。追加返済・任意返済・随時返済などとも呼ばれますが、要するに「最低返済額以上の金額を支払う」ことです。
消費者金融で契約したときに定められる最低返済額は、少なくともこの程度の金額は返済してほしいという業者側の都合に過ぎません。毎月期日が指定される返済、つまり約定返済で最低返済額だけを返済していると、返済期間が長くなって最終的にはかなりの利息を支払うこととなります。
10万円を金利18%で借入したとき、毎月3000円を支払っていると返済回数は32回、利息の総額は2万6221円となりますが、毎月1万円返済すると、返済回数は12回、利息の総額は9134円となります。
毎月の返済額にちょっとだけプラスするだけでも効果があります。
たとえば、50万円を金利18%で借入して、最低返済額が1万2000円だとすると、返済回数は66回となります。これに1000円、2000円プラスするだけでも返済期間が短くなって利息に大きな差額が出てきます。
返済額 | 利息総額 | 利息の差額 | 返済回数 |
1万2000円 | 29万486円 | 66回 | |
1万3000円 | 25万1057円 | 3万9429円 | 58回 |
1万4000円 | 22万1450円 | 6万9036円 | 52回 |
たった2000円増やすだけで完済期間は1年以上短縮され、7万円近くの利息が節約できます。ボーナスなどの収入があったときに、まとまった金額を返済することによっても効果があります。
典型的な繰り上げ返済のパターンですが、このときは早いタイミングで実行したほうが利息節約の効果が大きいので、ぜひ実行してみましょう。
利息が多く付いている時期に繰り上げ返済したほうが、後から残高に付けられる利息額が減るので、節約効果が高くなります。
繰り上げ返済による利息節約効果が高い業者のひとつがアコムです。アコムは最低返済額の決め方に独特なものがあり、何もしていないと残高が減るごとに最低返済額も下がっていく方式を採っています。そのため、支払い期間が延びる傾向があります。
支払回数 | 返済額 | 利息 | 元金充当額 | 返済後の借入残高 |
1回目 | 3000円 | 739円 | 2261円 | 4万7739円 |
2回目 | 3000円 | 706円 | 2294円 | 4万5445円 |
3回目 | 2000円 | 672円 | 1326円 | 4万4119円 |
4回目 | 2000円 | 674円 | 1324円 | 4万2795円 |
最終回(48回目) | 797円 | 10円 | 697円 | 0円 |
返済回数は48回で総返済額は6万5703円、そのうち利息は1万5703円となります。
借りたのは5万円ですが、完済までに4年もの年月を要しています。これは、アコム独特の返済額の決定方法にも原因がありますが、言いなりに放置しているほうにも原因があると言っていいでしょう。
返済額が毎月2000円というのは楽ですが、ずるずると返済しているだけで、利息を取られ続けるだけになっています。
支払回数 | 返済額 | 利息 | 元金充当額 | 返済後の借入残高 |
1回目 | 3000円 | 739円 | 2261円 | 4万7739円 |
2回目 | 3000円 | 706円 | 2294円 | 4万5445円 |
3回目 | 3000円 | 672円 | 2328円 | 4万3117円 |
4回目 | 3000円 | 659円 | 2377円 | 4万776円 |
最終回(20回目) | 956円 | 14円 | 942円 | 0円 |
返済回数は20回、総返済額は5万7956円となります。利息額は7956円で、当初に比較してかなりの節約になっています。
支払回数 | 返済額 | 利息 | 元金充当額 | 返済後の借入残高 |
1回目 | 1万円 | 739円 | 9261円 | 4万739円 |
2回目 | 1万円 | 622円 | 9378円 | 3万1361円 |
3回目 | 1万円 | 463円 | 9537円 | 2万1824円 |
4回目 | 1万円 | 333円 | 9667円 | 1万2157円 |
5回目 | 1万円 | 185円 | 9815円 | 2342円 |
6回目 | 2376円 | 34円 | 2342円 | 0円 |
返済回数は6回、総返済額は5万2376円となります。利息の総額は2376円とまったく変わってきます。
毎月の返済額を大きくして、支払い回数を減らすことができれば、同じ金利・同じ借入額でも総返済額を節約することができます。アコムだけでなく、他の消費者金融でも同じことで、出来る限り毎月の返済額を多めにしておきましょう。
まとめ
消費者金融の返済方法は数多くありますが、なるべく手数料のかからない方法で返済しましょう。わずかな金額でも回数が多くなると無駄も増えます。
毎月の返済額を大きくすることで、結果的に総返済額を少なくすることができます。
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