大手と中小の消費者金融ではどんな違いがある?

大手と中小の消費者金融ではどんな違いがあるの?

消費者金融といっても規模の大小があります。モノを買うにも大手のチェーン店もあれば地域の商店街もあるのと同様で、消費者金融にも全国展開している業者もあれば地域密着型の業者もあります。

 

消費者金融は大手の寡占化が進んでいますが、中小ならではの使い方もあるため、覚えておくと良いでしょう。

 

 

大手と中小の消費者金融の比較ポイント

審査の柔軟性

大手と中小の違いで最も大きなものが審査の柔軟性です。大手では、機械を使ったスコアリング審査によって合否を決めていきます。人手を使わずに、申し込みのあった人の個人情報を数値化して合計点が基準を満たしていれば審査通過で、満たしていなければ審査否決と決まっています。

 

信用情報機関に情報を照会して、そこで問題がある人は自動的に否決されます。そこに申込者の返済意思や、担当者の人情などはまったく関係ありません。大手は申し込みに来る人が多いため、まずは機械で落とす人と通す人を決めてから、担当者が書類などを見て審査をしていきます。

 

かなり淡々とした審査で、ダメなときは何を言ってもダメです。

 

逆に中小の業者の審査は柔軟性があります。スコアリング審査もしますし、信用情報も見ますが、それだけで審査に通過させるかどうかは決めません。多くの中小の業者で「対面審査」を行うのは、申込者の人柄や返済の意思を確認するためです。

 

中小消費者金融は、大手で審査落ちした人たちの受け皿という立ち位置で、申し込み直近で長期の延滞があったり、自己破産などの金融事故がない限り、中小ではその他の属性に多少の問題があっても限度額を絞るなどの工夫をして融資してくれる可能性があります。

 

利用限度額にはあまり変わりはない

大手の消費者金融業者は資金力もあり、大手の銀行がバックについていることもあって、最高限度額は大きいという傾向があります。中小の業者はこの点では大手には及びません。

 

最高限度額の比較
経営規模 業者名 最高限度額
大手 プロミス 500万円
アコム 800万円
中小 ダイレクトワン 300万円
フクホー 200万円

 

大企業のプロミスとアコム、中小企業のダイレクトワンとフクホーを事例として見ても、大企業のほうが最高限度額が高めです。その点を見れば大企業のほうが申込先としては良いでしょう。

 

とはいえ、最高限度額が高いほうが使い勝手が良いかというと、これは申込者としては審査に通るかどうか、実際の借入は便利かといったことのほうが重要でしょう。一見すると中小企業のほうが最高限度額が低いために使いにくいという印象を受けますが、実際に大手でも上限金額まで借りることのできる人は限られています。

 

最高限度額が高いほど有利と言えるのは「増額申請」の通りやすさでしょう。一般的に最高限度額が高い設定の金融機関ほど増額の申請がしやすい傾向があり、長期にわたって利用するときには決め手となりえます。

 

サービスでは大手が充実
1.自動契約機

大手の消費者金融のメリットとして挙げられるのが、自動契約機の存在です。アコムが日本で初めて導入した自動契約機のシステムは使いやすさや分かりやすさという点で洗練されており、借入に対する精神的なハードルも低くなります。

 

アコムの他、プロミスやアイフル、SMBCモビットなどが全国に自動契約機を設置しており、その場で契約してカードを受け取ることが可能です。ところが、中小の業者になると自動契約機を設置しているところは多くありません。一部の業者が導入していますが、設置台数も少なく、利用できる人は限られています。

 

2.Webから即日振込融資が可能

大手の消費者金融ではWebから申し込んで即日融資を受けることが可能です。プロミスは平日の午後2時くらいにWeb契約が完了していれば、口座に即日で振込融資を受けられます。スマホからでもパソコンからでも申し込めて、居ながらにして自分の銀行口座に入金することが可能です。

 

業者によっては、銀行との提携関係で契約さえ完了していれば24時間いつでも振込できるというところもあります。

 

それに比べると、中小の業者は即日振込が可能なところは少ないという現状です。店舗で直接申し込みをすると振込融資が受けられるというところもありますが、店舗数自体が少ないので不便でしょう。

 

一部の業者は「中小」とは呼べない規模に達しつつあるところもあり、即日融資・即日振込に対応できる業者もあります。

 

3.銀行のグループ会社という安心感

大手の消費者金融のほとんどは銀行のグループ会社です。プロミスは三井住友銀行、アコムは三菱UFJ銀行の傘下に入っています。知名度も高いですし、信頼性という点で評価できます。

 

中小の業者は、いかにも「金貸し」で、銀行とは関係のない独立系の会社です。そのため、実際に利用している人の口コミ情報くらいしか業者の良し悪しを判断できる材料がありません。

 

金利

金利では中小には特徴的な傾向があります。大手では最高金利は18%でほぼ横並びですが、中小では最高金利が18%を超えることが多くあります。たとえば、ダイレクトワンは最高金利20%で、アローは19.94%です。

 

上限金利は利息制限法という法律によって以下のように定められています。
借入額 金利
10万円未満 20%
10万円以上100万円未満 18%
100万円以上 15%

 

金利18%以上を適用できるのは、借入額が10万円未満のときだけです。18%以上の金利を最高金利と表示している業者では、たとえば借入限度額を9万円や9万9000円として、18%以上を適用することがあり得ます。

 

実際にそういった金利・限度額の設定で契約するというケースは多くあり、金利と限度額というセットで考えると中小の「厳しさ」が分かります。

 

返済の便利さでは大手

返済が便利なのは圧倒的に大手でしょう。

 

たとえばアコムとダイレクトワンを比較すると以下のようになります。
アコム ダイレクトワン
店舗数 1000店以上(有人店舗39店) 12店
自動契約機 1100台以上 なし
自社ATM 1100台以上 なし
提携ATM
  • 三菱UFJ銀行
  • 三井住友銀行
  • セブン銀行
  • イオン銀行
  • イーネット
  • ローソン銀行
  • スルガ銀行
  • プロミスATM
  • セブン銀行
  • イーネット

 

アイフルやプロミス、SMBCモビットなど大手の消費者金融ではほとんど、銀行のATMやコンビニATMで返済が可能です。全国どこでも返済ができて、時間の制限もありません。その点、中小は利便性で欠ける部分があります。

 

ダイレクトワンはセブン銀行のATMが使える点では評価できますが、銀行のATMはスルガ銀行しか使えません。中小の業者は、ほとんど自社ATMを持っていませんし、銀行との提携も少ないため利用できるATMが限られてくるのが欠点と言っていいでしょう。

 

大手ならではの強みとは

総合力のプロミス

初めて消費者金融を利用するなら、有名な大手を選ぶほうが良いでしょう。中小の業者では、「証書貸付」という貸付方法を採っているところが多く、これは「いったん借りたら後は返済するだけ」というローンです。

 

大手ではいったん審査に通ったら限度額の範囲内で何度でも借りることが可能ですし、返済方法や借入方法の選択肢が多く、使い勝手という点でも有能です。

 

たとえばプロミスは「最短1時間で融資」「郵送物なしでの契約がしやすい」「在籍確認を職場への電話連絡なしにしやすい」「24時間振込融資OK」といった消費者金融に求められる要素をバランス良く持っています。

 

【プロミスの特徴】
  • 金利が年率17.8%:多くの消費者金融では金利は年率18%です。わずか0.2%ですが、金利が低いというのは魅力的でしょう。
  •  

  • 審査は最短30分・融資まで1時間:審査時間・融資までの時間は大手の消費者金融では標準的です。即日融資の申し込みのタイムリミットは午後9時までで、かなり遅い時間まで対応しています。
  •  

  • 郵送物:まったく郵送物なしで契約することが可能です。借入・返済や明細などもすべてWebで済ませることが可能です。
  •  

  • スマホATM取引:スマホ1台あれば、申し込みから借入・返済まですべて済ませることができます。スマホをカード代わりに使うスマホATM取引というもので、他人に発覚するリスクを最小限に抑えることが可能です。

 

独自サービスのレイクALSA

プロミスとほぼ同じスペックながら、ATMの手数料が無料というメリットのあるのがレイクALSAです。ほとんどの消費者金融では、コンビニや提携銀行のATMを使うときに手数料が発生します。

 

わずかな金額ですが、常にかかってしまうため、長期にわたって利用すると大きく損することもあります。

 

ATMを使った借入・返済を希望するなら、レイクALSAが良いでしょう。また、レイクALSAはユニークな無利息サービスを提供しており、かなりの独自性を感じさせます。

 

【レイクALSAの特徴】
  • 金利は年率18%・最高限度額500万円:金利も限度額も標準的なレベルで、この点では他との差別化は図っていません。
  •  

  • 審査は最短30分・融資まで1時間:これも標準的なレベルです。即日融資のタイムリミットは午後9時までとなっており、遅い時間になってからの申し込みにも対応できます。
  •  

  • 郵送物:まったく郵送物なしで契約できます。
  •  

  • スマホATM取引:プロミスと同様に、スマホ1台あれば申し込みから借入・返済まで済ませることが可能です。業界でいち早く導入しており、今後も利便性のアップが期待できます。
  •  

  • 2種類の無利息サービス

 

レイクALSAのメリットは「60日間無利息」「180日間5万円以下無利息」のいずれかを選択できます。60日間無利息サービスを受けるには、インターネット申し込みが不可欠ですが、他業者の無利息サービス期間が30日となっているなか、突出していると言っていいでしょう。

 

審査の柔軟性ではアコム

レイクALSAはユーザーサービスに優秀な一方で、成約率は低めです。その反対に、ユーザーサービスにおいては引けを取るが、審査が柔軟なのがアコムです。

 

業界で初めて無人契約機を設置した業者であり、利用者数や新規契約数で常にトップに位置しています。

 

消費者金融業者としての歴史も長く、また三菱UFJ銀行のグループ会社であることから高い安心感があります。かつて「初めてのアコム」というCMをテレビで流していたことで知っているという人も多いでしょう。

 

消費者金融のイメージアップにも貢献している業者です。

 

【アコムの特徴】
  • 金利は年率18%・最高限度額800万円:金利は標準的ですが、最高限度額は800万円と銀行のカード並みの水準です。最高限度額が高めの設定なので、後から限度枠の引き上げにも応じてもらいやすいことが期待できます。
  •  

  • 審査は最短30分・融資まで最短1時間:審査スピード、融資までの時間ともに業界では標準的なレベルです。無人契約機の設置数が多いので、そちらで契約するとかなり時間の短縮になります。
  •  

  • 即日融資のタイムリミット:ネット申し込み:午後6時、来店申し込み:午後9時30分:ネット申し込みでは早めに審査を打ち切ってしまうので注意が必要でしょう。
  •  

  • スマホATM取引未対応
  •  

  • 来店しないときには郵送物が発生

 

この2点では他社に見劣りする部分があります。アコムはカードを必ず発行する業者で、どのような申し込み方法でも契約方法でも必ずカードの受取という問題があります。

 

他人に知られずにカードを発行してもらうには、無人契約機に行くのが最も確実で、そのためにはわざわざそこまで出向く必要があります。

 

中小の業者の特徴

なぜ審査が甘いと言われるのか

中小の業者は大手に比較して「審査が甘い」「審査に通りやすい」と言われており、実際に大手の審査で否決された人が中小に申し込みしたら、すんなりと借入できたという事例はネット上の口コミ情報として数多く寄せられています。

 

このような評価が高まったため、中小の業者は実績を確実に伸ばしつつあり、中小ならではの審査の柔軟さをそのままに営業エリアを広げつつある業者も存在します。

 

中小の審査が柔軟である理由には2つあります。

 

1.元からの顧客層

中小の業者にも栄枯盛衰があります。金融業界は大手が市場のほとんどを独占する状態が進んでおり、中小の業者は元から審査が柔軟なところでないと今まで残ってこられなかったという事情があります。

 

大手で断られるような人を顧客として取り入れてきたからこそ、中小は寡占化の進む業界で今に至るまで営業できています。

 

2.生存戦略として

中小の業者は意識的に大手よりも審査を柔軟にしていると考えられます。大手は知名度があり、消費者金融の初心者の多くは広告などを見て大手に申し込みをします。

 

初心者なら金融利用履歴がキレイな状態ですので、すんなりと審査に通るでしょう。その後は大手と取引をしてお金を借りては返済するということに慣れていきます。

 

中小の業者には、こういったキレイなお客さんはやって来ません。

 

大手の審査に通らない人たちが自分でも審査に通してくれるところはないかと思って、中小の業者に行きます。中小はこういった訳ありな人を顧客として迎えることで、利益を得ています。生存戦略の結果が、審査の柔軟性に現れていると考えられます。

 

キーワードは「独自審査」

中小の業者で良く言われるものに「ブラックでも審査通過できた」「信用情報に問題ありでもOKだった」などというものがあります。

 

貸金業法にも業者は必ず信用情報機関に個人情報を照会したうえで審査することは義務付けられていますが、中小の場合にはブラックだからといって、すぐに審査否決とはなりません。

 

大手の審査はコンピューター処理によるものです。個人情報を数値化してその合計得点が基準を満たしていれば審査通過、満たしていなければ審査否決とあっさりしています。中小の場合は、そのような審査だけでなく、担当者自身の判断が大きく審査の合否を左右します。

 

申込者と直接面談して「この人なら貸しても良い」と判断したら審査に通すという方法を採っています。そのため、ブラックでも借りることができたという事例が多く報告されるようになっています。

 

ところが、この「ブラックでも融資可能」というのは、貸金業法上は広告などに出してはいけないことになっています。

 

矛盾するようですが、「ブラックでもOK」とネット検索した結果で表示される業者は100%闇金で、ブラックでも借りられる正規業者は逆にそういう表示は出しません。そのため、どのようにして見分けたら良いのか分からないということになってしまいます。

 

ブラックでも審査に通すほど審査が緩めの正規業者が出せるギリギリの表現が「独自審査」です。

 

「当社が独自の基準で判断します」「当社規定の審査のうえでご利用いただけます」などと表示されている中小の業者は、おおよそブラックリスト入りしている人にも条件次第で貸付していると考えて良いでしょう。

 

即日融資は可能?

大手の消費者金融では、ほとんどが即日融資に対応しています。アコムやプロミスが早めで、SMBCモビットやレイクALSAが若干遅いと評価されていますが、どれも即日融資が可能です。

 

大手業者の融資までの時間
業者名 融資までの時間
アコム 最短1時間
プロミス 最短1時間
アイフル 最短即日
SMBCモビット 最短即日
レイクALSA 最短即日

 

中小の業者の融資までの時間
業者名 融資までの時間
ダイレクトワン 最短即日
セントラル 午後2時までの申し込みなら当日中
フクホー 来店のうえで最短即日
ライフティ 最短即日
フタバ 最短即日
アロー 最短即日

 

中小の業者にも、即日融資が可能なところがあります。とはいっても、大手に比較するとスピードは若干落ちると考えたほうがいいでしょう。中小の場合には、大手と違って担当者が直接審査するため、時間がかかりがちです。

 

なかには、来店するならその場で審査して結果を伝えるというところもあります。どうしても即日融資というなら、大手を利用しましょう。

 

全国から申し込みできる中小の業者一覧

中小の業者のメリットは「信用情報に問題のある人にも貸す」「他社借入ありでも貸す」という2点でしょう。大手の審査に通らないような人を対象にして貸付業務を行っているのが中小規模の業者で、多くは地域密着型です。

 

近年ではインターネットの発達により、全国から申し込みができるところも増えています。

 

以下の中小消費者金融は全国から申し込めます。
全国から申込可能な中小消費者金融業者
業者名 上限金利 融資まで 特徴
AZ 18.0% 最短即日
  • 重いブラック状態でも通過した事例がある
  • 来店不要で契約可能
アイシーローン 20.0% 最短即日
  • 未成年可
  • 30日間無利息
アルコシステム 20.0% 最短即日
  • 他社延滞中の申し込みは不可
  • 自己破産者の通過事例あり
いつも 18.0% 最短即日 契約額60万円以上のとき60日間無利息
エイワ 19.9436% 1時間程度
  • 来店必須
  • 重いブラック状態での通過事例あり
セントラル 18.0% 最短即日
  • セブン銀行ATMの利用可能
  • 自動契約機あり
フクホー 20.0% 最短即日
  • 店舗は大阪
  • 住民票の写しが必要
フタバ 17.95% 最短即日
  • 30日間無利息
  • 審査基準は大手並み
  • 配偶者貸付に対応
ライフティ 20.0% 最短即日
  • セブン銀行ATM利用可能
  • 35日間無利息

 

まとめ

大手業者には高い利便性や安心感といったメリットがあり、中小業者には審査基準が柔軟というメリットがあります。その代わり、来店して対面審査が必要というデメリットがあります。

 

自分の事情に合わせて選んでいきましょう。

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