金銭トラブルを避ける方法は文にで残す事がポイント

金銭トラブルを避ける方法は借用書を残す事がポイント!

 

お金の貸し借りは、親子や友人などのように、信頼しあう者同士であっても油断は禁物です。「お金が原因でトラブル」という事はよくある話で、トラブルを防ぐには、貸した側と借りた側でお金を貸したという文書(借用書)を残しておくことが重要です。

 

インターネット上には借用書作成のためのテンプレートが数多くアップされていますが、それをそのまま使ってしまうのは危険です。

 

そこで、借用書を作成する時の決まりや注意点などを紹介しますので参考にして下さい。

 

 

≪目次≫

  1. お金の貸し借りで作成する文書とは
  2. トラブルを避けるためにはどちらがよい?
  3. 借用書と金銭消費賃借契約書に記入する項目
  4. 借用書を作る時の注意点
  5. 法的効力が強いのは公正証書
  6. まとめ

 

 

お金の貸し借りで作成する文書とは

通常お金の貸し借りで作成する文書には

  1. 一般的に呼ばれている借用書
  2. 金銭消費賃借契約書

の2種類があります。

 

基本的にどちらも同じものですが、借用書の場合は、借りる側が署名捺印し、貸した側が保管します。

 

金銭消費貸借契約書は、借主と貸主双方が署名捺印し、お互いが1通ずつ保管します。

 

トラブルを避けるためにはどちらがよい?

借用書と金銭消費賃借契約書どちらを選んでも効果は同じです。

 

「金銭消費貸借契約書」にあたる書類を、「借用書」としている事もあるので、借用書と金銭消費賃借契約書どちらを選んでも同じですが、トラブルを防ぐという目的を考えると、双方が署名・保管する金銭消費貸借契約書の作成をおすすめします。

 

借用書は、金銭消費貸借契約書に比べて手軽ですが、貸した側しか保存しないので紛失してしまう可能性もあります。多額のお金を貸し借りする場合や、細かな約束事がある場合や返済方法など細かな決まりを決める時は、金銭消費貸借契約書を交わしておきましょう。

 

借用書と金銭消費賃借契約書に記入する項目

借用書を書く時は最低限の項目だけを記入すればよいですし、金額が大きくなれば利息や返済が遅れた場合の決まりも決めておきましょう。

 

借用書 金銭消費賃借契約書
  • 契約書の作成日付
  • 借主の氏名・住所・押印
  • 貸主の氏名・住所・押印
  • 金額
  • お金を渡した日付
  • 返済方法・返済期日
  • 契約書の作成日付
  • 借主の氏名・住所・押印
  • 貸主の氏名・住所・住所・押印
  • 金額
  • お金を渡した日付
  • 返済方法・返済期日
  • 利息
  • 遅延損害金
  • 期限の利益の喪失

連帯保証人を付ける場合は、さらに「連帯保証人の氏名・住所・押印」が増えます。

 

借用書を作る時の注意点

借用書の作成は、インターネットからテンプレートをダウンロードし、それに手を加えるのも方法ですし、テンプレートを見ながら手書きで作成しても問題ありません

 

ただし、手書きで作成する時は、消せないようなボールペンや万年筆等で書いてください。

 

金額の明記は、必ず漢数字を使用します。

 

たとえば100万円と記入する場合、「100万円」や「1,000,000円」ではなく「壱百萬円」と書くことがポイントで、漢数字で記載するのは、後から加筆等で金額を修正出来ないようにするためだからです。

 

また、手形や小切手の記入でも漢数字が使われますが、漢数字を用いて金額の前後に必ず「金、也」を入れる事を忘れないようにして下さい。

 

例えば100万円は「金壱百萬円也」と書きます。

 

金銭消費貸借契約書の作成が終わったら、最後に契印・割印・消印をする必要があります。いずれも、署名・押印時に使用したものと同じ印を使用してください

 

借用書の金額によって収入印紙が必要になる場合があります。

 

記載された契約金額
1万円未満 非課税
10万円以下 200円
10万円超~50万円以下 400円
50万円超~100万円以下 1,000円
100万円超~500万円以下 2,000円
500万円超~1千万円以下 10,000円
1千万円超~5千万円以下 20,000円
5千万円超~1億円以下 60,000円
1億円超~5億円以下 100,000円
5億円超~10億円以下 200,000円
10億円超~50億円以下 400,000円
50億円を超えるもの 600,000円
契約金額の記載のないもの 200円

 

法的効力があるのは公正証書

お金を借りる時の文書は借用書や金銭消費賃借契約書以外に「公正証書」があります。

 

公正証書は、法律の専門家である公証人が、法律にしたがって作成する公文書で、公正証書にもいくつか種類があります。

 

お金の貸し借りの場合は、金銭消費貸借契約公正証書を作ります。公正証書は、貸主と借主が公証役場に出向いて、公証人に契約内容を伝えて作成してもらいます。契約内容については双方の合意が必要なので、貸主あるいは借主だけで公正証書を作成することはできません。

 

金銭消費貸借契約書を公正証書には以下のような効力があります。

 

  1. 契約書の原本は公証役場に保管されので、紛失や改ざんの可能性はなくなります。
  2. 借りる側が約束通り返済しない場合、公正証書に執行認諾約款がついていれば裁判なしで差押え手続きに移行できます。ちなみに執行認諾約款とは、「約束通り返済できなかった場合は差押えを受けても異議はない」と認めるものです。
  3. 公正証書は非常に信頼性の高い書類なので、裁判では有力な証拠となります。

 

なお、金銭消費貸借契約公正証書は行政書士や司法書士に依頼しなければならないので、事務所によって違いはありますが、55,000円~80,000円程度の費用が必要になります。

 

まとめ

借用書と一口にいっても、これだけの種類があります。どれを選ぶかは自由ですが、奨学融資や身内や知人でかわす場合は簡単な借用書だけでも良いでしょうし、金額が大きくなった時は、金銭消費賃借契約書や公正証書なら間違いが起こりません。

 

どの書類を作成するか、どこまで記入するかは、貸す側と借りる側でよく相談し、お互いにデメリットがないように決める事が大切です。


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