入院費用を工面する!
「これまで入院したことがない」という方でもいつかは入院する日が来るかもしれません。実際に入院となれば、治療費や薬代などに加えて、ベッド代や食事代などの入院費も必要になります。さらに入院が長引けば、入院中の衣類や身の回りの品も揃えなくてはなりません。
入院となると、どれくらいの費用が必要になるのかが気になるところです。
そこで、入院すればどれくらいの費用が掛かるのか、またその費用を安く抑える事が出来る方法、や、お金が無い時どうすればよいかなどを紹介していきたいと思います。
≪目次≫
|
入院すると費用はどれくらい?
入院費用といっても、入院期間が短期入院なのか長期入院長短で大きく違いますし、どんな病気で、どんな治療が必要なのかによって大きく違ってきます。病気や負傷した時の治療を受ける場合、通院なら「治療費+薬代」だけですが、入院となるとこまごました費用も必要になります。
まずは具体的な金額を出す前に、「どのような費用が必要なのか」を考えてみることにしましょう
入院で必要になる費用の内訳
費用の内訳 | 内容 |
---|---|
治療費 | 薬代も含めての治療費で、注射や点滴、投薬などのほか医師の指示によって行われるさまざまな処置や、各種検査費用も含まれます。また場合によっては手術やリハビリのための費用などが追加されます。 |
入院基本料 | 入院すると「1日いくら」で計上される基本料金で、医師の診察や看護師の看護、室料や寝具代などをすべて含んだ費用になります。病棟の種類や看護師の人員配置の状態によって、費用が違ってきます。 |
差額ベッド代 | 入院すると、通常は「大部屋」に入ることになりますが、2人部屋や個室などを希望した場合「差額ベッド代」が発生します。個室を希望したりした場合、追加料金が発生します。 |
食事代 | 入院中の食事代は、入院基本料とは別計算です。食事は病気によって食材を選別したり、また高齢の方には食べやすい状態に調理する「特別食」などもあり、これらの食事代は通常の入院食より割高になります。ちなみに、食事代は「1食あたりいくら」という算定法ですが、特別食になると数十円単位で加算されます。 |
その他 | 実際に入院生活を始めると、上に記載したものとは別に、こまごまとした費用が必要になります。入院中の着替えや、退屈しのぎに読む書籍や雑誌。テレビが有料制になっている病院もあります。また、許可が出ればですが病院食以外に嗜好品などの購入など、細かい出費が重なると、意外と馬鹿にならないものです。 |
が必要になります。
しかし「○○○の治療で入院した場合の入院費は○○万円くらい」というような、ざっとしたところでも知りたいところです。
入院中の負担額費用
公益財団法人生命保険文化センター 平成28年度「生活保障に関する調査」で、 「直近の入院時の1日あたりの自己負担費用」が発表されているので、それを参考にすると、入院時の1日当たりの自己負担費用は
入院費用 | % |
---|---|
5,000円未満 | 12.5 |
5,000円~7,000円未満 | 8.3 |
7,000円~10,000円未満 | 13.7 |
10,000円~15,000円未満 | 24.5 |
15,000円~20,000円未満 | 7.9 |
20,000円~30,000円未満 | 14.1 |
30,000円~40,000円未満 | 6.9 |
40,000円以上 | 12.0 |
となっており、最も多いのが10,000円~15,000円で、平均すると、1日あたり19,835円になります。ただし、20,000円以上でまとめると33,0%となり全体の3分の1の方が高額の入院費を払っている事になります。
入院期間はどれくらい?
さらにどれくらいの期間、入院していたかを見てみると
入院日数 | % |
---|---|
5日未満 | 17.5 |
5~7日 | 25.4 |
8~14日 | 25.1 |
15~30日 | 19.5 |
31~60日 | 6.6 |
61日以上 | 5.9 |
入院日数で最も多いのが8~14日で、平均日数は19.1日になります。ただし、入院日数が5~30日をまとめると全体の70%にもなるので、一度入院すると2週間~4週間はかかるという結果になります。
必要な費用と損失収入はどれくらい?
入院した時に発生する自己負担額と免失収入を合算した表で、入院によって損失となる1日の金額です。
ちなみに、免失収入とは「入院しなければ得られていた収入」の事で、入院してしまうと仕事が出来ないので、それだけの収入がなくなるという事です。
自己負担費用と損失収入の総額 | 全体(%) | 自営業者(%) | 雇用者(%) |
---|---|---|---|
1万円未満 | 29.0 | 28.0 | 20.9 |
1~2万円未満 | 29.6 | 32.0 | 30.5 |
2~3万円未満 | 16.8 | 16.0 | 18.8 |
3~4万円未満 | 8.6 | 4.0 | 9.7 |
4万円以上 | 16.0 | 20.0 | 20.1 |
平均 | 23,901円 | 32,560円 | 28,167円 |
会社員の場合は、月給の日割り計算などで減額になる場合がありますが、自営業の方が入院するとなると、もろにその損害を被ることになります。
これらを基にして計算すると、平均入院日数×(1日あたりの自己負担額+1日あたりの逸失収入)= 19.1 × 23,901 = 456,509(円)となり、病気や負傷で入院すると1回の入院で、456,509円の損失になるという事になります。
一回の入院費用でどれくらいのお金が出ていくのかが分かったところで「それだけの費用が工面できるだろうか」と心配する方もおられますが、日本には優れた公的保険制度があるので、それらを利用すれば入院費用を安くあげる事も可能です。
入院費が払えない時に使える便利な制度
高額療養費制度 | 高額療養費制度とは、病院の窓口で支払った医療費が一定限度を超えた場合、お金が戻ってくる制度です。 |
---|---|
高額療養費貸付制度 | 医療費は3割負担で支払いますが高額になる事もあり、そんな時に役立つのが高額療養費貸付制度で、後日受け鳥が出来る高額療養費を元にして、医療費が無利子で借りられる制度です。 |
傷病手当金制度 | 病気や負傷で会社を休まなければならなくなった時、最長1年6ヶ月目まで、手当金を受けとることができる制度です。 |
無料低額診療事業 | 低所得者などに医療機関が無料または低額な料金によって診療を行う事業で、「低所得者」「要保護者」「ホームレス」「DV被害者」などの生計困難者が無料低額診療の対象になります。 |
のような制度や事業があります。
高額療養費制度を利用する
この制度は、公的な医療保険に加入している方を対象とした制度で、ひと月に支払った医療費が一定の金額を超えた場合に、超えた分を払い戻してもらえる制度です。
この制度の対象になるのは、
- 保険適用される診療や入院で支払った医療費
- 院外処方で支払った費用(医療機関が発行した処方箋により薬を受け取った場合の薬代)
※差額ベッド代や、先進医療にかかる費用を含めることはできません。
申込み方法は「高額療養費支給申請書」「医療費の領収書」「国民健康保険証(国民健康保険加入者のみ)」「住民税非課税証明書(住民税が非課税となっている場合のみ)」を揃えて加入している保険機関の窓口へ提出します。
高額医療費が支給されるのは、医療機関を受診した月から3ヵ月以上先になり、すぐにお金が戻ってくるわけではありません。そんな時に利用できるのが次の「高額療養費貸付制度」で事前に借りることが出来ます。
高額療養費貸付制度を利用する
高額療養費制度を申請してお金が戻ってくるのは、どんなにはやくても受診から3か月後になります。「医療費が返ってくるまで待てない」という方が利用できるのが「高額療養費貸付制度」です。
高額療養費貸付制度は、高額療養費制度を使って戻ってくるお金の、約8割(国民健康保険では約9割)を無利息で貸し付けてもらえる制度で、公的な医療保険(健康保険組合・全国健康保険協会(協会けんぽ・船員保険)・国民健康保険・共済組合など)に加入している方が対象になります。
申込方法は加入している保険の窓口で申請しますが、提出書類の入手方法が異なるので事前に確認が必要です。申請が終われば2~3週間程度でお金が受け取れます。ちなみに、高額療養費を申込む時に高額療養費も併せて申込めば一度で済みます。
傷病手当金制度を利用する
この制度は、健康保険組合や全国健康保険協会・共済組合に加入している方が対象となるので残念ながら、国民健康保険加入者は利用することができません。
傷病手当金制度が利用できるのは、会社を休み始めて4日目から最長1年6ヶ月目まで、手当金が支給されます。
支給されるのは、1日につき、標準報酬日額の3分の2に相当する額で、標準報酬日額とは、毎年4月から6月までの3ヶ月間の給与(基本給、諸手当、残業代、通勤交通費含む)を平均したものを30日で割ったものです。
なお、傷病手当金の支給は、早ければ申請後10日~2週間前後で支給されますが、通常は1ヶ月後、遅い場合は2ヶ月以上後になる事もあります。
無料低額診療事業を利用する
無料低額診療事業とは、低所得者などへ、医療機関が無料または低額な料金によって診療を行う新規の事業です。
「低所得者」や「要保護者」「ホームレス」「DV被害者」「人身取引被害者」などの生計困難者が無料低額診療の対象となります。
無料低額診療は、社会福祉法で定められた福祉事業のひとつで、医療機関が都道府県または政令市、中核市に届け出て実施します。
無料低額診療事業をやっている病院・診療所は、2012年度の集計では、全国に558施設あり、近年、数は増え続けています。すべての都道府県に最低でも1か所はあり、とくに首都圏、京阪神、北海道、福岡県にはそれなりの数があります。
具体的には、「無料低額診療」と地域名を組み合わせてネットで検索するか、各都道府県などの社会福祉事業を担当している課に問い合わせてください。地元の福祉事務所や社会福祉協議会で紹介してもらうこともできます。
手術・入院費がない時にお金を工面する方法
高額医療制度を利用すれば、結果的にお金が返ってくるので、個人で負担するお金は少なくなります。
しかし、中には「お金が返ってくるまで待てない」という方もいますが、入院費を工面する方法はあるので、心配する必要はありません。
入院費の一時立て替えとなると、生活に負担が掛かるほどの費用になることがあります。親や身内に頼むのも気が引けるという事もありますし、親に頼めば何とかしてくれるでしょうが、「親に負担が掛かるのでそれだけは避けたい」と思います。そんな時に利用できるのが、社会人なら1枚は持っているクレジットカードで支払いをすることが出来ます。
病院によってはクレジットカードでの支払いが可能な病院もあるので、受付でカードが利用できるか聞いてみましょう。もし、カードが利用できなくても、クレジットカードのキャッシング枠を利用すればお金が借りられるので、一時的にお金を借りるという事も出来ます。
入院費にかかる費用に、カードローンを利用するという方法もあります。カードローンは消費者金融や信販会社、銀行でも取り扱っており、大手消費者金融や銀行のカードローンの一部は、申込をしたその日にお金が借りられる「即日融資」が可能なので、入院費が工面できないと分かった時に申込をすれば、その日のうちにお金が借りられます。
カードローンをおすすめするのは、申込で保証人や担保は不要で、本人の信用度だけでお金が借りられるので、人に迷惑を掛ける事がありません。
カードローンは一度契約すれば、限度額の範囲内でいつでも何度でも借入が出来るので、入院費以外の日常生活においても「急にお金が必要になった」と言う時でも、すぐに利用できるという利便性があるので、ゆとりのある生活が出来ます。
まとめ
日頃から怪我や病気で入院するのは、自分に限った事ではなく、家族や両親が入院する事があると考えて、医療費の貯蓄が出来ていれば何の問題もありません。しかし、怪我や病気でいつ入院する事になるか誰もわかりませんし、突発的に入院しなければならない時もあります。
国民健康保険の場合は3割負担となるので、治療や手術のための入院費が高額になる事もあります。そんな時に一番気になるのは入院費や治療費で、最初に思い浮かぶのは「費用をどこで工面すればよいのか」という事です。
カードローンには初回契約時のみになりますが、大手消費者金融や銀行カードローンの一部で「30日間無利息」サービスがあります。カードローンの金利も依然と比べて、ずいぶんと安くなっていますが、このサービスを使えば30日間無利息でお金が借りられるので、利息を支払う期間が短くなります。
入院費を工面する方法は色々ありますが、カードローンなら人に迷惑を掛けずに自分の信用度だけでお金が借りられるというメリットがあります。
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