カードローンで地獄の体験をする人の特徴と解決法

カードローンで地獄の体験をする人の特徴と解決法

カードローンは使い方次第では便利なものですが、あくまで借金なので、ちょっとした間違いから借金地獄に陥ってしまうこともあります。

 

その要因とカードローン地獄の状況、そして対策法について知っておくことは無駄にはなりません。

 

カードローン地獄の実態と原因

多重債務の状態になる

1.複数の借入

カードローンは1社から借りて返済を順調に行っている分には問題はありません。むしろ家計がピンチのときに頼れる存在で、重宝している人も多いでしょう。ところが、これが2社以上になってしまうと事情は変わってきます。

 

1社だけなら借りて返済して、いずれ借入残高はゼロになることが目に見えて分かりますが、2社から借りているということは、ひとつの金融機関の利用限度額を超えるほどの大きな借金をしているか、または返済が遅れそうになっていて、その助けのために契約していることが考えられます。

 

一般的には3社や4社から借りている状態を多重債務と呼びますが、2社から借りている時点で実は危ない状態です。

 

2.金利を減らすだけになっている

2社以上から借りているとき、金利部分を返済するだけで精一杯という状態になっていることが多くあります。

 

たとえば金利が年率15%の金融機関3社から100万円ずつ借りているとします。借入額は合計で300万円です。1社あたりの利息は毎月1万2500円となります。3社を合計すると3万7500円となります。

 

これは利息だけの話です。これに加えて借金の元本も返済する必要がありますが、金利の支払い分が大きくなると、いったん返済してはまた借りるという状態に陥ります。

 

すると、いつまで経っても完済することができないですし、常に借金をしていて、金利の返済だけをしている状態になります。

 

3.返済のための借入

金利しか返済できないような状態だと借入残高はまったく減っていきません。もし返済が滞れば金融機関から催促の連絡がありますし、放置していると金融事故として扱われてしまいます。

 

そうなってしまうと困った状態になるので、借金を返済するために別の金融機関から新たな借入をするという状態になります。これは一時しのぎにしかならず、結局は新しい借入先の返済に困って、また新規で契約するという連続になり、雪だるま式に借入額は膨らんでいきます。

 

カードローンは気楽に利用できる

1.利用できる幅が広い

なぜ多重債務になってしまうか、原因のひとつにカードローンが気楽に利用できてしまうという点が挙げられます。カードローンは学生から主婦、アルバイト、パートなどの人でも利用できるものがあります。

 

正社員や契約社員、派遣社員でも申し込めますし、審査に通します。自営業者でも個人事業主でも審査には通過できます。

 

まったくカードを利用したことがなく、つまり金融履歴が綺麗な状態である人で安定した収入があれば、利用条件が厳しくないカードローンであれば、ほとんどの場合で審査には通過するでしょう。

 

最初に申し込みをしたときには、「こんなにあっさりとお金って借りられるのか」と思った人は多いでしょう。そういったときに、つい使いすぎてしまうことがあります。

 

2.利便性が高い

カードローンを提供する金融機関は、なるべくユーザーに使ってほしいと考えていますので、サービス性を年々高めています。自社のATMだけでなく、提携している銀行のATMでもローンカードは使えます。

 

近年ではコンビニは全国どこに行っても存在している状態です。コンビニにはほとんど必ずATMが設置されています。このATMでもローンカードは使えます。

 

セブンイレンブンに設置されているATMは1000円単位の取り扱いがあり、何か現金が必要というときに気楽に引き出すことができます。

 

よくあるパターン

1.借金の自覚が薄れる

カードローンの利用は、住宅ローンやマイカーローンと大きな違いがあります。住宅ローンは家を買うため、マイカーローンは自家用車を買うためのローンです。ところが、カードローンは利用の目的がそれほど明確ではありません。

 

ショッピングのときに使うとか、遊びに行くときに必要なお金を借りるなどといった程度でしょう。住宅や自家用車は高額な買い物ですので、高いリスクがあります。そのため、借りる側としても危機感があります。「しっかり返済しなければ」という強い意志を持ちます。

 

ところが、カードローンは少ない金額を細々と引き出して使う傾向があります。そのため、リスクであるという意識が薄れがちです。

 

カードローンはATMで簡単にお金を引き出すことができるため、つい貯金と同じような感覚で利用するようになってしまいます。日常生活に溶け込みやすいので、いつの間にか「お金を借りて生活する」ことが当たり前になってしまいます。

 

借金して生活水準を上げているのに、その自覚が生まれにくい点が厄介です。いったん上がった生活水準は元に戻すのはなかなか難しいでしょう。

 

毎月必ず1回以上、金融機関からお金を借りるという人は、その借金込みで生活しているという状態ですので、危険な状態と言っていいでしょう。

 

2.生活費を借りてしまう

カードローンでお金を借りるという意識が薄れると、今度は生活費そのものをカードローンでまかなうようになります。生活費が足らないからカードローンで借りて穴埋めしていきます。実際にはカードローンは借金ですので、自分のお金ではありません。

 

自分が毎月もらう給料で生活するのは当たり前のことですが、カードローンが借金であるという自覚が薄くなると、カードローンで借りるお金が自分の収入源と勘違いしてしまうようになります。

 

3.借金で返済と生活費をまかなう

カードローン地獄になってしまうのは、お金を借りてそこから生活費を工面しているうちに、返済する費用が足らなくなることから始まります。生活していくうえで節約して、借入せずに返済するだけにするべきところを、借金によって返済する費用をまかなうようになったら危険信号です。

 

借りたお金で返済するというのは、それ自体ですでに危険です。自分の収入だけでは返済できない状態になっているからです。借入先から借りたお金を返すために別の借入先からお金を借りるというのは完全に本末転倒ですが、本人はなんとか頑張っているなどと思ってしまいがちです。

 

4.上限額を超えて別業者へ

借入先は1つである時点ではあまり問題にはなりません。何か緊急の用立てがあって、手元にお金がないから消費者金融業者から借りるというのは珍しいことではありません。

 

このとき、次の月からは返済するだけにして、それ以上借りないというのが実際には正しい行動でしょう。ところが、カードローンは限度額の範囲内でいつでもいくらでも借りることができるので、ついまた借入してしまいます。

 

限度額いっぱいにまで借りたときに、生活を立て直して返済することに集中すれば、平常な生活は保てます。問題なのは、1社の限度枠をいっぱいに使ってしまったときに、別業者に新規で申し込みすることです。

 

返済できる余裕がないために、上限枠を使い切った人が返済資金や生活費をまかなうために新規で金融機関と契約すること、ここからカードローン地獄が始まります。

 

残高スライドリボ払いの仕組み

1.借金の元金が減らない

カードローン地獄に陥ってしまう要因は、カードローンの利便性や本人の自覚の薄さだけではありません。カードローンが原因で多重債務状態になる人の多くが、残高スライドリボ払い方式を利用しています。

 

これは、金融機関があまり所得の高くない人に対して推奨する返済方式です。この返済方式も、借金地獄に陥らせてしまう要因となっています。

 

残高スライドリボ払いは、残高の金額に応じて毎月の最低返済額が決まる方式です。決められた残高の範囲内では最低返済額が一定なので利用しやすいという反面、なかなか元金が減らないというデメリットがあります。

 

良くある事例として、利用残高が10万円以下であるとき毎月の最低返済額が2000円や3000円と低額になっているカードローンがあります。このとき、たった2000円さえ返していれば滞納にも延滞にもなりません。

 

ところが、この返済額から金利が差し引かれています。金利が14.6%とすると、10万円の借入に対する1ヶ月の金利は1200円です。もし2000円だけしか返済しないと、元金に充当されるのはたった800円です。これでは借金はなかなか減りません。

 

2.金利が高い

金利14.6%は法律上も問題ありませんし、決して高い金利ではありませんが、毎月の最低返済額が低いことを考えると安いとは言えないでしょう。返済金額に対して支払う利息の割合が高いと、元金に充当される金額が少なくなってしまいます。

 

そのため、カードローンを利用している人の多くが追加で借入してしまいます。毎月支払う利息は残高に応じて高くなるので、返済額に対する元金の減り具合は悪くなるばかりです。

 

3.返済の実例

楽天銀行から残高スライドリボ払いで15万円を借入することを考えてみましょう。金利は14.5%、毎月の最低返済額は5000円です。

 

最初の月の利息は以下のように計算されます。
  • 15万円×14.6%÷12ヶ月=1812円

元金に充当される金額は3188円となり、利用残高は14万6812円です。

 

2ヶ月目からは以下のようになります。

 

利息

元金充当額

 

2ヶ月目

1,773円

3,227円

14万3,585円

3ヶ月目

1,695円

3,266円

14万319円

4ヶ月目

1,655円

3,305円

13万7,014円

5ヶ月目

1,615円

3,345円

13万3,669円

6ヶ月目

1,574円

3,385円

13万284円

7ヶ月目

1,532円

3,426円

12万6,858円

 

返済回数は全部で38回、利息の総額は3万7396円となります。最低返済額しか返済しない場合には、3年以上もの年月がかかります。もし返済途中で追加で借入したら、ますます返済回数は増えていきます。

 

もしこの状態で8万円を追加で借入して、さらに6万円を借入すると、返済完了までに97ヶ月かかって利息の合計は19万円以上になります。

 

カードローン地獄から抜け出すには

繰り上げ返済をする

カードローン地獄に陥ってしまうのは、そもそも毎月の最低返済額しか返済しないことに原因があります。もし10万円を借入したとしても、5万円強の返済を2回実行すれば完済できます。

 

最低返済額はあくまで「お金に余裕がないときでも、この程度は最低返済してください」という額に過ぎません。生活を多少切り詰めるなり、趣味に使うお金を減らすなりといった努力をして、繰り上げ返済していきましょう。

 

たとえ10万円であっても早めに返済すれば、その分支払う利息も減ります。リボ払いが苦しいのは、積み重なった未払の元金から発生する金利ですので、それを減らすことが完済への道です。

 

少額でいいから返済額を増やす

リボ払いは毎月の返済額を一定にするものです。一定額が淡々と口座から引落になっていくので、返済計画は立てやすいですが、実際にシミュレーションして完済できるのがいつなのか調べている人もあまりいないでしょう。

 

シミュレーションはしていなくても、リボ払いの返済金額を増やすだけでも完済しやすくなります。毎月1万円のリボ払いを5000円増やすだけでぐっと元金の減りは早くなります。発生する金利は毎月決まっています。

 

それに対して返済額が増えれば、元金充当額が増えます。元金充当額が増えれば残高の減りも多くなるので、さらに次の月に返済するときに利息額が減るという好循環になります。

 

50万円を借入して金利15%で毎月「一定額に金利をプラスする」返済する方法を採っているとき、返済額が毎月5000円のときと、1万円のときを比較すると以下のようになります。

 

返済回数 利息総額 返済総額
毎月5,000円プラス金利 100回 31万4,717円 81万4,717円
毎月10,000円プラス金利 50回 15万8,386円 65万8,386円

 

支払う額が倍になったので、返済回数も利息の総額も半分になっています。これをさらに2万円ずつ返済するなどとしていくと、もっと楽に完済できます。どんどん返済していくという循環に乗ることができれば、カードローン地獄から脱出できます。

 

低金利のローンに借り換えする

もっと根本的なところで解決する方法は、金利が安いローンで借りてそれで全額返済してしまうという方法です。借り換えローンなどと呼ばれるやり方で、銀行や消費者金融業者で取り扱いがあります。

 

金利は、借りた側が手数料として金融機関に支払うお金ですが、これは元金の返済を苦しめる一方になることが多くあります。

 

たとえば、カードローン地獄になりやすいリボ払いの金利はおおよそ15%程度というところが多いですが、これを銀行などのローンで7%や9%といった低金利で借り換えすることができれば、返済はぐっと楽になります。

 

金利を低いものに乗り換えた効果が実感できるのは、3%以上が目安です。15%の金利のリボ払いを12%のカードローンに乗り換えると、返済が楽になります。

 

カードローン地獄から脱出するためのおまとめローン

おまとめローンとは

おまとめローンというローン商品があります。アコムやプロミス、アイフルなどの消費者金融業者などで提供されており、一部の銀行でも取り扱いがあります。これは複数の貸金業者から借りたお金を一本化する商品で、利用者となるのは多重債務者です。

 

このローン商品が他のものと違うのは、「毎月の返済を楽にする」ことが目的となっているという点です。商品として売れているから他の業者も取り扱うようになったという種類のものではなく、貸金業法に規定されているから取り扱いがあるというローン商品です。

 

貸金業法には総量規制という規定があり、年収の3分の1以上の借入はできないことになっていますが、おまとめローンは総量規制の対象外として、それ以上のお金を借りることができます。

 

おまとめローンは貸金業法に基づいて提供されるローンで、多重債務者の救済措置であるため、審査そのものも通常のローンとは異なっています。申し込めば誰でも審査に通過できるというほどではありませんんが、通常のローンと違う基準で審査します。

 

カードローン地獄に陥っているという自覚があり、そこから脱出する手段がないというときに頼れるローンです。様々な業者や銀行から提供されていますので、検討してみましょう。

 

返済はもう限界で、おまとめローンも組めないとなったら最後の手段として法的に債務を整理する必要があります。債務整理するとブラックリスト入りして、5年から10年の間は新たな借金はできません。その前におまとめローンを利用してみましょう。

 

消費者金融のおまとめローン

消費者金融業者が提供するおまとめローンは、総量規制の例外貸付として「顧客に一方的有利になる借り換え」と規定されているものです。公的に総量規制を超えて貸して良いとされているローンです。

 

近年非常に注目されており、利用者は年々増加しています。というのも、銀行での個人向け融資が過剰融資として問題視されたことから、銀行は個人向けの高額の融資に消極的になっているという背景があるためです。

 

これまで銀行のカードローンは低金利・高額融資を売り物に利用者を拡大してきましが、それに一定の歯止めがかかっている格好です。

 

消費者金融業者のおまとめローンは顧客に一方的有利である必要があります。顧客に一方的有利ということは、業者にとっては一方的不利を意味します。

 

業者にとっての一方的不利というのは、簡単に言えば金利の引き下げです。業者は、利用者の複数の借入をひとつにまとめて高額の融資ができる代わりに、金利を引き下げる必要があります。

 

また、限度額の条件や貸し出し条件など利用者にとって有利になるように商品設計されており、カードローン地獄の状態にあって、何も自分から用意できる手立てがないときに、利用する価値があります。

 

消費者金融のおまとめローンのメリット・デメリット

消費者金融業者のおまとめローンは、借金の一部を返済するとか、追加で融資するとかいった制度を設けず、完全に返済だけを行うローンです。通常、消費者金融業者が利用者の名義で他社への返済を代理で実行して、利用者の手元には一切渡らないようにしています

 

おまとめローンは高額の融資ですので、つい「ちょっと使っても大丈夫だろう」と魔が差してしまうことがありますが、消費者金融業者のおまとめローンではそういったことはありません。

 

また、追加融資は基本的に不可能で、返済だけしかできません。他社の契約は基本的に解約します。新規で借入の申し込みをすることも禁止です。残債が完全にゼロになるまで、返済しかできません。

 

高額のローンですが、毎月いくらの返済を何回するのか明確に示されます。そのため、返済期間中に借金癖が抜けて、完済した後は自分の給与だけで生活することができるようになります。

 

審査も通常のローンとは異なった基準が適用されるので、審査通過しやすいローンです。多重債務状態から脱するにはうってつけの方法と言えるでしょう。

 

ただし、金利が銀行のローンに比較して若干高いことや、銀行のカードローンやクレジットカードのショッピング枠はおまとめの対象外となっていることもあります。

 

消費者金融業者の大手では、銀行やクレジットカードもおまとめ対象するローンを取り扱っているのはアイフルだけです。

 

銀行のおまとめローンのメリット・デメリット

銀行のおまとめローンは多くが「カードローンをおまとめとしても利用できる」に過ぎないことが多いので注意が必要です。おまとめ専用のローンを提供しているのは、東京スター銀行や横浜銀行など一部の銀行に限られます。

 

地方銀行が多いので、地域によっては利用できないこともあります。銀行でおまとめしたいときには、この点を丁寧に調べておきましょう。

 

銀行のおまとめローンのメリットは、消費者金融業者のものとは違って多くのローンのおまとめに対応している点でしょう。消費者金融業者からの借入、他行のカードローン、クレジットカードのキャッシング枠とショッピング枠など様々な金融機関からの借入をまとめることができます。

 

また、ある程度返済が進めば、通常のカードローンとして使うことができるものが多く、何かあったときの用立てとして利用することができます。とはいえ、これは再び借金を重ねてしまうきっかけにもなるので、デメリットとも言えます。

 

銀行のおまとめローンは金利も低い傾向があり、その点では消費者金融業者に比較して大きなメリットでしょう。なかには金利が年率10%程度というものもあります。

 

ただし、銀行が提供するローンなので審査は厳しめです。給与所得者以外は利用できないものもありますし、年収による足切りがあるローンもあります。

 

また、審査には時間もかかります。1週間程度かかるのは珍しくなく、なかには2週間以上もかかるものもあります

 

債務整理という方法もある

カードローン地獄に陥ってしまってどうしようもないというとき、最後には債務整理という方法もあります。

 

法律の専門家の手を借りて、借金を整理します。ブラックリスト入りするというリスクはありますが、いったん生活を立て直すための最後の手段として覚えておくのも良いでしょう。

 

任意整理とは

任意整理は、法律の専門家が貸し手である債権者と交渉して、利息のカットや元金の分割払いなどの和解を成立させて、借り手である債務者の負担を軽減する手続きです。債務整理には様々な方法がありますが、最も良く利用される方法と言われています。

 

もし、利息制限法を超える利息の契約があった場合には、引き直し計算を行って、払いすぎている利息を元本に充当して支払いを楽にします。

 

将来の利息をなくすことは、ほとんどのケースで可能です。債務者の事情を考慮して、利息分の支払いをなくして元金の返済を中心に和解交渉していきます。元本の減額は困難ですが、それを長期の分割払いにしてもらって、債務者の生活の再建をうながしていきます。

 

他の方法では裁判所が関与することになりますが、任意整理はあくまで債務者と債権者による話し合いですので、裁判所はまったく関与しません。

 

裁判所に提出する書類もありません。主に、将来の利息をゼロにすることと、元本の返済を3年から5年程度の分割払いにしてもらうことの2点を成立させます。

 

個人再生とは

個人再生は、債務者が裁判所に申し立てをして、債務を大幅に減額してもらって3年から5年程度の分割で支払いをして、残債は免除してもらう手続きです。

 

おおよその目安ですが、100万円未満の借金は全額弁済させられますが、500万円未満では100万円に減額、500万円以上で1500万円未満であれば5分の1に減額されます。

 

この手続ができるのは、今後の仕事によって反復継続的に収入を得る見込みがある人です。債務の総額は5000万円を超えないことも条件です。

 

自己破産のようにすべての債務を免責にするのではありません。自己破産では持っている財産は最低限のものを残して処分する必要がありますが、個人再生では財産を守ることが可能です。たとえば住宅であったり、自家用車、生命保険などを手放すことなく債務整理できるのが個人再生です。

 

再生計画案を裁判所に提出し、認可を受けたうえで分割払いが終われば、すべての債務から解放されます。返済期間は原則的に3年ですが、何らかの事情があれば5年まで分割払いも認められます。

 

自己破産は最終手段

自己破産は裁判所に破産申立書を提出して免責許可という認可をもらうことで、税金などを除くすべての借金をゼロにする手続きです。これは債務整理では最終手段で、通常は任意整理や個人再生の可能性を模索します。

 

その人の支払いの能力を著しく逸脱した額の借金があって、他に方法がないときに使われるもので、乱用するものではあありません。

 

自己破産できるのは、支払不能という状態になった場合です。現在持っている資産や今後得られる見込みのある収入などを総合的に判断して、利息カットや分割払いなどの方法を使っても完済することがまったく不可能である状態です。

 

どの程度の債務があれば自己破産を選択するのかについては、債務とその人の資産や収入から判断します。債務があまり多くなくても、資産がなくて今後の収入が生命維持にギリギリである程度しか見込めないような状態であるときには、自己破産が認められます。

 

支払不能は裁判所が債務者の負債や収入、資産の状況などから総合的に判断して決定します。貸し手からすると貸した金額がまるごと損失となるのが自己破産ですので、裁判所も慎重に判断します。

 

債務整理とブラックリスト

債務整理をすると、信用情報機関に登録されて新たな借入ができなくなります。これを「ブラックリストに載る」と言いますが、実際にブラックリストという名前のリストが存在するわけではありません。

 

信用情報機関にネガティブな情報が記載されている状態のことを指しています。

 

日本には3つの情報機関があります。
  1. 株式会社日本信用情報機構(JICC)
  2. 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  3. 全国銀行個人信用情報センター(KSC)

 

債務整理をすると、この情報機関に情報が登録されますが、どういった整理の手続きをしたのかによって登録の期間が異なります。信用情報機関によっても若干の違いがあります。

自己破産 個人再生 任意整理
JICC 5年 5年 5年
CIC 5年 基本的に記載なし 基本的に記載なし
KSC 10年 10し 登録区分なし

 

すべての借金を帳消しにしてしまう自己破産の重さが分かる数字です。なるべく個人再生や任意整理の道を探るほうがベターでしょう。

 

「いざとなったら自己破産してしまえばいい」という考えにならないようにしましょう。あくまで最終手段です。

 

まとめ

カードローンは使い方を誤ると、思わぬ高額を借りてしまい、借金地獄に陥ってしまうことがあります。計画的に使っていく必要があるでしょう

 

もし返済に苦しくなったら、おまとめローンの利用か債務整理を考えましょう。


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